『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』イーサン&ガブリエルの過去を深掘りしなかった理由

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(全国公開中)のクリストファー・マッカリー監督が、主人公イーサン・ハント(トム・クルーズ)と悪役ガブリエル(イーサイ・モラレス)の描写について、ポッドキャスト番組「Happy Sad Confused」で語った。(以下、映画のネタバレを含みます)
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ガブリエルは、前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』(2023)で初登場したキャラクター。イーサンとは、IMFに所属する前に因縁があり、今作では人類を滅ぼそうとする人工知能エンティティ(“それ”)を巡り、世界を股にかけた壮絶な戦いを繰り広げる。
『デッドレコニング』では、ガブリエルが1989年にドイツでマリーという女性を射殺し、その場にイーサンが居合わせる回想シーンが挿入され、二人の過去については『ファイナル・レコニング』まで持ち越しとなった。しかし、今作で過去を掘り下げる描写はなく、ガブリエルはクライマックスの複葉機バトルであっさり退場してしまう。
もともと『ファイナル・レコニング』は、『デッドレコニング』と前後編で製作されていたが、前作が予想を下回る興行収入となったため、タイトルが変更されている(『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、劇場公開後に『PART ONE』が外れている)。マッカリー監督は、前作で寄せられた批判を真摯に受け止め、『ファイナル・レコニング』をよりコンパクトにする方針を取ったという。
それにより、当初予定されていたイーサンとガブリエルの過去もカットを余儀なくされてしまった。「彼らの関係性についてもう少し語るバックストーリーも撮影しました。しかし、あの関係を明確に描くにはもう1本映画を作るしかない。であれば、いっそのことやめようと判断しました」とマッカリー監督は説明している。
二人の関係性のみならず、観客が疑問に思うことについては、使うか使わないかは別として「徹底的に撮影している」とマッカリー監督。「私は説明台詞が嫌いですが、それを避けているわけではありません。撮影しすぎるくらい撮って、情報を詰め込みすぎて、後から『どこまで伝えるべきか』を取捨選択していくんです」と自身の製作スタイルを語っている。
『ファイナル・レコニング』が、ダブルスト等の影響を受けずに『デッドレコニング』の翌年夏に劇場公開されていれば、話が違っていたとマッカリー監督は振り返っている。「これだけ時間が空いたことで、私たちは『デッドレコニング』を手放し、(『ファイナル・レコニング』を)独立した映画として作る決断ができたのです」(編集部・倉本拓弥)


