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諏訪部順一、『トロン:アレス』で目撃した“進化” 最強のAI兵士役「人間的な生っぽさを出さないように」

『トロン:アレス』日本版声優の諏訪部順一
『トロン:アレス』日本版声優の諏訪部順一 - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 ディズニーが最先端のデジタル技術を駆使して製作した映画『トロン:アレス』。現実世界で実体化された究極のAI兵士たちが、“永遠”を求めて暴走を始める。主人公のAI兵士・アレス(ジャレッド・レトー)の日本版声優を担当するのは、1作目『トロン』(1982)からシリーズの大ファンだという諏訪部順一だ。「予告編に登場する映像だけでもシビレます」と公開前から興奮しきりな諏訪部が、時代を超えても色褪せない『トロン』の魅力、映画のテーマとなるAIとの向き合い方について語った。(編集部・倉本拓弥)

【動画】『トロン:アレス』吹替版予告

 『トロン:アレス』の舞台は、高度なAIプログラムを現実の世界で“実体化”させることに成功した世界。ディリンジャー社は、最強の人型軍事AI・アレスを現実世界に実体化させる。しかし、AI兵士が現実世界で“生存”できるのはわずか29分間だった。やがて “永遠”を求めてAI兵士たちは暴走を開始し、デジタル世界が現実世界を侵食していく。

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遺伝子レベルでカッコイイ!『トロン』の魅力

諏訪部が担当した主人公・アレス - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

Q:声優発表の際、『トロン』1作目は「小学生だった自分に衝撃を与えた作品でした」とコメントされていました。世界で初めてCGを本格導入した長編映画として知られていますが、当時どんなところに衝撃を受けたのでしょうか?

 小さい頃から、いわゆる「ハイテク」なものに興味がありまして。当時の最先端技術であるコンピュータグラフィックスを駆使した『トロン』の映像は、私の目に「とんでもなくクールなもの」として映りました。擬人化されたプログラムたちが、コンピュータの中で社会を構築しているという設定も斬新でしたね。

Q:『トロン』は映像&物語共に、常に時代の最先端を行くシリーズです。1982年から今なお熱狂的なファンが多い『トロン』が愛され続ける理由は何か、諏訪部さんはどのように分析されていらっしゃいますか?

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 私個人が『トロン』シリーズに対して魅力を感じている大きなポイントのひとつは「とにかくカッコイイ」ところです。登場する様々な造形物のデザインであったり、サイバーな雰囲気であったり、遺伝子レベルで「カッコイイ!」と認識してしまいます。

Q:『トロン』シリーズの舞台となる“グリッド”は、作品を重ねるごとにグラフィックやスケールがグレードアップしています。1作目から最新作『トロン:アレス』まで、グリッドの進化はどのようにご覧になりましたか?

 単純に並べてみたら「別物!」と思うような変化ですね。『トロン』は、映像技術の進化、設定の深化が色濃く感じられるシリーズだと思います。しかし、過去作が劣るかというとそういうわけではなく、むしろ1作目のテイストはリアルなVFXを見慣れた現在においてはむしろ非常に新鮮で、その魅力は色褪せていません。

「格闘アクション」のレベルが上がっている

現実世界を疾走するライトサイクル - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

Q:『トロン:アレス』では、ライトサイクルやレコグナイザーが現実世界へと進出します。ハイウェイを疾走するライトサイクルなど、デジタルと現実世界の境界を越えた今作の映像体験はいかがでしたか?

 予告編に登場する映像だけでもシビレますね。ライトサイクルが現実世界を駆け抜けるシーンは特にたまりません。デジタルの権化みたいな作品ですが、シリーズを重ねるごと、バトルシーンにおけるアナログ的な「格闘アクション」のレベルも上がっているのが面白いです。

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Q:今回演じるアレスは、現実世界にやってきた“超高度AIプログラム”です。人間と触れ合うことで変化が見られるキャラクターですが、吹き替える際に最も意識したのはどんなところでしょうか?

 アレスは人間ではなくプログラム。日本版における演出は、その点に非常に重きが置かれていました。人間的な生っぽさを出さないように、シチュエーションやセリフの流れに乗って感情表現をアウトプットしないように、と。ディレクションに沿って、全編粛々と努めた次第です。

AIとの向き合い方

『トロン:アレス』ポスタービジュアル - (C) 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

Q:『トロン:アレス』はAIや3Dプリンターなど、最先端テクノロジーを物語にうまく落とし込んでいます。諏訪部さんがご覧になって「ここは特にリアル!」と感じたシーンや設定はありますか?

 プログラムが現実世界に現れる際、3Dプリンターの生成物のように出てくる演出は面白いですね。

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Q:『トロン:アレス』でも描かれるAIは、私たちの日常生活にも浸透しています。正しく使えば便利な一方で、一歩間違えればトラブルの引き金にもなります。表現者でありクリエイターでもある諏訪部さんは、AIとの向き合い方で気をつけていることはありますか?

 私個人も「モノづくり」をする過程の中でAIを活用することはありますが、AIに任せたものを最終形にすることはありません。「こうしたらどうなる?」といった試作で使う感じです。便利ではありますが、ファクトチェックは不可欠ですし、権利侵害をしてしまう可能性も多分にあります。多くの人の働く場を奪い、想像力や創造力を減退させるといった弊害も。今後、格差や分断を深刻なレベルで広げていくかもしれませんね。

Q:諏訪部さんと同じ『トロン』シリーズファン、まだ1作観たことがないシリーズ初心者の観客に向けて、それぞれ作品の楽しみ方を教えてください。

 『トロン:アレス』単体でご鑑賞いただいても世界観や物語を十分お楽しみいただけますが、過去の2作を事前にご覧になられていると、より一層解像度が高まると思います。『トロン:アレス』をご鑑賞いただいた後でも結構ですので、シリーズ過去作もあわせてゼヒ。

映画『トロン:アレス』は10月10日(金)日米同時公開

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