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LGBTQ+弾圧のロシアで生まれた21歳クィア・アーティストを追うドキュメンタリー『クイーンダム/誕生』公開決定

『クイーンダム/誕生』ティザービジュアル
『クイーンダム/誕生』ティザービジュアル - (C) 2023 GALDANOVA FILM, LLC ALL RIGHTS RESERVED

 LGBTQ+の活動が禁じられているロシアで、命がけの表現を続けるクィア・アーティストを追ったドキュメンタリー映画『クイーンダム/誕生』(英題:QUEENDOM)が、2026年1月30日に全国公開されることが決定し、ティザービジュアルと特報映像が公開された。本作は、アメリカの批評サイト Rotten Tomatoesで批評家支持率100%を記録した注目作である。

【動画】『クイーンダム/誕生』特報映像

 主人公は、ロシアの極寒の田舎町・マガダンに生まれ、祖父母に育てられたジェナ・マービン。撮影当時わずか21歳だったジェナは、保守的な町で“クィア”であるために暴力や差別の標的とされてきた。その痛みやトラウマを“アートという武器”に変えたジェナは、スキンヘッドにハイヒール、身体を締め上げるテープや有刺鉄線をまとい、“静かな叫び”として無言のパフォーマンスを街に放つ。その芸術性はTikTokで支持を集め、「VOGUE RUSSIA」誌面にも登場するなど瞬く間に脚光を浴びた。しかし、ジェナの過激で独特な衣装とパフォーマンスは、ウクライナ侵攻反対や社会への反抗的な姿勢を表しており、現在のロシアでは命を危険にさらす行為である。本作は、反戦デモへの参加による逮捕や、徴兵の危機といった過酷な現実、そして愛情を持ちながらもジェナの在り方を理解しきれない祖父母との関係など、「強さ」だけではない若者の孤独と葛藤も映し出す。

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 監督はロシア出身でフランス在住のアグニア・ガルダノヴァ。ジェナの類まれな芸術性と、抑圧的な社会の中で真の自分を貫く勇気に心を動かされ、このドキュメンタリー製作を決意した。プロデューサーは『チェチェンへようこそ -ゲイの粛清-』の共同プロデューサーを務めたイゴール・ミャコチン

 公開されたティザービジュアルは、裸のジェナをロシア国旗の色である「白」「青」「赤」を纏った人々が取り囲む印象的な一枚だ。特報映像は、「これは私が人間になるための活動だ」というジェナの言葉から始まり、暴行を受ける仲間の姿に涙する様子や、差別的な暴力に団結して立ち向かう姿が捉えられている。

 なお、主演のジェナとガルダノヴァ監督、プロデューサーのミャコチンは、公開日付近(1月30日)の来日を予定している。(加賀美光希)

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