『プレデター:バッドランド』初期構想、ナチスを狩るプレデターの物語だった

銀河の狩人・プレデターがシリーズで初めて主人公として描かれた新作映画『プレデター:バッドランド』(全国公開中)は当初、完成版とは全く異なる構想が検討されていたという。メガホンを取ったダン・トラクテンバーグ監督が The Direct に明かした。
【画像】チャーミングな素顔!デク役のディミトリアス・シュスター=コローマタンギ
強き獲物を狩ることを誉れとするヤウージャ族から追放された半人前のプレデター・デクが、宇宙で最も危険な惑星を舞台にサバイバルを繰り広げる本作。これまで人間を狩ってきたプレデターが、凶悪生物から“狩られる側”に回るなど、斬新なアイデアが話題を呼んでいる。
トラクテンバーグ監督曰く、本作の企画は「もしもプレデターが勝ったらどうなる?」というアイデアが原点だったとのこと。殺人鬼が勝つようなスラッシャー映画のような展開ではなく「観客が彼(プレデター)を応援したくなるような映画にしたかった」とも明かしている。
そこで浮かんできたのが、第二次世界大戦を舞台にした「ナチスを狩るプレデター」の物語だった。トラクテンバーグ監督といえば、高評価を得た実写映画『プレデター:ザ・プレイ』(2022)で300年前のアメリカを舞台にネイティブアメリカンの女戦士とプレデターの死闘を描き、続くアニメーション映画『プレデター:最凶頂上決戦』(2025)ではヴァイキング、戦国時代の日本で暗躍する忍者、第二次世界大戦期の戦闘機パイロットをプレデターと対峙させるなど、さまざまな時代にプレデターを登場させている。
ナチスとプレデターの対決を思いついたトラクテンバーグ監督だが、「やはり特別な新作映画には感じられなかった」と結局その案は採用せず。そこから、「プレデター自身が物語の真の主人公だったらどうか?」という現在のコンセプトへと派生。観客が主人公プレデター・デクに感情移入できる新基軸の物語が誕生した。(編集部・倉本拓弥)


