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「緊急取調室」天海祐希、12年演じた有希子との別れ「終わったら髪を切ります」

「キントリ」完結へ、天海祐希は何を思う? - 写真:高野広美
「キントリ」完結へ、天海祐希は何を思う? - 写真:高野広美

 2014年に放送スタートした天海祐希主演の連続ドラマ「緊急取調室」が、『劇場版「緊急取調室 THE FINAL」』(12月26日全国公開)でついに完結を迎える。天海演じるたたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で専門チーム「緊急事案対応取調班」(通称:キントリ)のメンバーとともに繰り広げる、凶悪犯たちとの心理戦の緊迫感と迫力が人気を博してきた同シリーズ。連続ドラマ第5シーズンの放送が終了し、劇場版の公開を目前に控える天海が、多くの困難を乗り越えてフィナーレを迎える心境とこれから先の展望を語った。

【撮り下ろしカット】天海祐希、12年演じた真壁有希子と別れの時…

 天海は、公開まで紆余曲折あった劇場版について「キントリを終わらせるなら映画で、というのは、多くの関係者のみなさんの思いでした」と明かす。とにかく最後となる劇場版を盛り上げたい。彼女は、そんな思いでいっぱいのようだ。「改めて公開することを決めていただけた時に、できる限り盛り上げたいと思って、『連続ドラマの第5シーズンをやりましょう!』とご提案させていただいて。たくさんの方の力と熱意のおかげで、綺麗な引き際にできたと思います」

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 劇場版は、好感度の高い内閣総理大臣・長内洋次郎(石丸幹二)に浮かび上がった“ある疑念”について、有希子らキントリチームたちが取調べをしようとするストーリー。「自分たちの組織のトップですからね。今の日本で、取調室で向き合う人物としてこれ以上の敵はいないと思います。最後なので大きく出ました」と天海は自信をのぞかせる。

 「石丸さんがお力を貸してくださって、本当に感謝しています。石丸さんの持ってらっしゃる清潔さや品格のあるところが新しい形の総理を生み出してくださっていて、『こうなるんだ!』という面白さを感じました。ドラマのほうにも登場していただいて映画につながる形になっているので、転んでもただでは起きないと言いますか(笑)。これはこれでよかったなと思っています」

 さらに、懐かしいメンバーも総出演するファイナルならではの豪華さもある。特に、キントリを創設しつつも、現在は獄に繋がれている郷原政直役の草刈正雄は、1日だけの共演だったが印象深かったようだ。「ご無沙汰しています程度のお話しかできませんでしたが、草刈さんの渋さと色気と怪しさと独自のリズム感は素晴らしかったです。やはり有希子はこの方の一言で、ずっと思いを持ってきていますからね」。また、杉咲花演じる有希子の娘・奈央は初出時は高校生だったが、劇場版では救急救命士となっている。「仕事をする人間として父や母のことを考える年齢になっていて、すごく感慨深いです。逃げずにちゃんと説明する有希子も素敵だなと思いました」

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画像は『劇場版「緊急取調室 THE FINAL」』より - (C) 2025 劇場版「緊急取調室 THE FINAL」製作委員会

 長い付き合いとなった有希子については「いつまでも青くあれ、ということを心に持っている人です」と断言。「年や状況とともにまろやかになりがちですが、正義を貫いて常にとんがらせているのは、彼女の長所であり、短所だと思います」と語るが、それも天海が一人で構築できたものではなかった。「有希子の暴走を許してくれるメンバーだったからこそだと思います。排除されても仕方のない状況もありましたけど、みんながフォローしてくれた。いいチームワークだと思います」

 チームワークは、劇中だけの関係に留まらない。田中哲司塚地武雅でんでん小日向文世らキントリメンバーはもちろん、速水もこみち鈴木浩介大倉孝二らレギュラー陣について、「お芝居を作る仲間にならせていただいて、本当にありがたいです。撮影中は毎日面白く、笑って過ごしていました。12年もやっていますから親戚みたいなものです」と笑顔を浮かべる。

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 また、そんなファミリーにちょっとした注文も。「おじさまたちは、わたしが台詞の多い日にちょっとピリピリしていても、おかまないなしに話しかけてくるんです。自分がその状況の時は黙っているからずるいんですよ」と微笑ましい様子を明かす。「みなさんそれぞれ、素のままでわかっている感じの、あったかい現場です」と笑みを浮かべた。

「キントリ」後は髪型を変えたい! - 写真:高野広美

 有希子とキントリチームは常に困難に立ち向かい、頭脳とチームワークで乗り越えてきた。天海自身が壁にぶつかった時はどうするのかと聞くと、「行動しかないです」と即答。「どうしてもそこを通りたいなら、方法を考えます。それも、ズルい方法ではなく、正攻法で。ズルをすると結局自分に返ってくるし、遠回りな気がする。正しく相手に気持ちを伝えたり、意見を聞いたりすることが、一番の近道だと思います」と自我を通すだけではない乗り越え方を提示する。さらに「自分が動いて何とかなることだったら、人に任せず自分でやります。自分が『重たい』と思った荷物を人に持ってもらっても、その人も『重たい』わけですから。自分が重い思いをしないとね」と自身の生き方の一端を語った。

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 劇場版が公開され、有希子役がひと段落したら、まず何をするのだろうか。「真っ先に髪型を変えます。まず前髪を作りますね。再撮影もあったので、有希子役のためにずっと伸ばしっぱなしだったんです。もう演じないんだ、という気持ちを込めて」と直近の希望を語った。一方で、その先の希望は「ないです」ときっぱり。「どこに行きたい、何を食べたい、何がほしいという個人的な欲求が、わたしはあまりないんです。家にいて、テレビや映画を観たり、本を読んだり、次の仕事の調べ物をしたりするのが一番楽しい。趣味と楽しみが、お仕事とイコールなんです」と明かした。

 そんな天海が、自分のキャリアと12年の歳月を注いだ作品が「緊急取調室」だ。「ともに過ごしてきたこのメンバーに、わたしはすごく誇りを持っています。それはキャストだけじゃなくてスタッフも含めてです。ですから、みんなの最後の雄姿を、できれば大きいスクリーンで、見届けてほしい。時間や場所を調べて、チケットを買って、わざわざ劇場に来てくださることがすごく特別なことだとわかっているからこそ、楽しんでほしいです」と天海は全力でアピール。「職場でもご近所でも同窓会でもママ友の集まりでも、とにかく一人でも多くの方に『キントリ面白そうだよ』とお伝えください」と作品愛に溢れた言葉を連ねていた。(取材・文:早川あゆみ)

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