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ジェームズ・キャメロン監督、構想中の原爆映画も3Dを予定「わたしの映画はすべて3D」

来日してインタビューに応じたジェームズ・キャメロン監督
来日してインタビューに応じたジェームズ・キャメロン監督

 人気シリーズ第3弾『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(公開中)のジェームズ・キャメロン監督が来日時にインタビューに応じ、次回作の一つとして構想中の原爆映画も3Dで制作予定だと明かした。

【画像】宮世琉弥&山崎貴監督がキャメロンと対面『アバター3』来日イベント

 長年、チャールズ・ペレグリーノの著書「ラスト・トレイン・フロム・ヒロシマ(原題) / Last Train From Hiroshima」を映画化しようとしてきたことで知られるキャメロン監督。同著は、仕事で広島へ行って被爆し、列車に乗って戻った長崎でも被爆した二重被爆者である山口彊(つとむ)さんなどをフィーチャーしたノンフィクションだ。キャメロン監督は今年8月に出版されたペレグリーノの新作「ゴースツ・オブ・ヒロシマ(原題) / Ghosts of Hiroshima」の映画化権も購入しており、実際の被爆者の声を取り上げたこの2作のノンフィクションを基にした新作映画の制作を予定している。

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 3Dブームを巻き起こしたシリーズ第1弾『アバター』(2009)は映画館の在りようを大きく変えたが、近年では3D映画の本数は大きく減り、『アバター』シリーズが最後の砦となっている。そんな状況の中、構想中の原爆映画も3Dで制作する予定なのかと聞かれたキャメロン監督は、大きくうなずき、「わたしの映画はすべて3Dだ」と断言する。

 「それはなぜか? わたしたちには二つの目があり、何億年も前に自然が両眼立体視(左右の目で見たわずかに異なる二つの画像を脳が合成・処理することで、物体の奥行きや立体感、距離を認識する視覚能力)を選択したからだ。つまり3Dは目ではなく、脳で作られているんだ。だから、3Dだとわたしたちの頭脳はより活発に動くことになる」

 「“映画館で映画を観る”という選択をした時点ですでに、人々は“とても集中した経験をしよう”と心に決めている。小さな画面で観るわけじゃないし、ショート動画でも、一時停止して他のことができるストリーミングでも、気に入らなければチャンネルを変えられるテレビでもない。最初から最後までの3時間、その映画としっかり向き合うわけだから。つまり、映画館にいるだけですでに、五感と感情のすべてが、とても高いレベルで映画に傾けられている。そして3Dは、脳を活性化することで、それをさらに高いレベルに引き上げるんだ」

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 確かに『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』でも、スペクタクルなアクションのみならず、心震わす深い家族のドラマが3Dで直接脳に訴えかけてくることにより、より深い没入感がもたらされている。「3Dのおかげで、映画、登場人物、ストーリーに対するわれわれの反応が少し高められると思うんだ。もちろん、素晴らしい演技、その他のすべてのストーリーテリング、音楽なども必要だが、3Dはそれらすべてに付加価値を与えてくれる。そうなると疑問が生じるわけだ。『それならなぜ、すべての映画が3Dではないのか?』というね」

 それには大きく分けて二つの理由があるというキャメロン監督。一つは“2Dで撮ったものを3Dに変換する”というやり方が主流となり、3D映画の品質を下げてしまったこと(「それは多くのスタジオによってなされていて、彼らはそれをより簡単、もしくはより安価と考えているが、実際は違う」)。もう一つは、「映画館が適切な明るさレベルにするために金をかけなかったこと」だという。

 「われわれが(試写会などで)上映した高品質の3Dを観た人は、映像がずっと明るいことに気付いたはず。多くの“近所の映画館”では、そのような設備が整っていないことが多い。だからわたしは実際、3Dにはまだ、映画館を存続させ、映画体験を自宅では味わえないユニークなものにするという役割を担うポテンシャルがあると思うんだ。だが(そのためには)、興行会社は今すぐ投資しなければならない。本作には間に合わないだろうが、わたしの映画はすべて3Dで制作されるから、多分、次の作品の公開までには、もっといい状況になっているかもしれない」と映画館側の奮起も促していた。(編集部・市川遥)

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は公開中

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