織田裕二&反町隆史、憧れの大人が体現するリーダー像「北方謙三 水滸伝」Pが明かす起用理由

織田裕二、反町隆史、亀梨和也をはじめ、日本を代表する豪華キャストが集結した連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」が2月15日から放送・配信される。織田と反町が演じるのは、腐敗した世に立ち向かう男たちを率いる“二人のリーダー”。世代を代表するトップ俳優の起用理由と、彼らが示すリーダー像について、WOWOWの大原康明プロデューサーが語った。(編集部・入倉功一)
【動画】 織田裕二&反町隆史&亀梨和也が語り合う!「北方謙三 水滸伝」インタビュー
50代で演じる理想のリーダー
作家・北方謙三が、中国を代表する古典小説を大胆に再構築した歴史大河小説。腐敗した北宋末期の中国を舞台に、世直しのため、志を胸に集う漢(おとこ)たちの生き様を描き出す。その叛乱の中心を担うのが、主演の織田が演じる宋江(そうこう)と、反町が演じる晁蓋(ちょうがい)だ。
宋江は、武力も知略もない地方役人だが、世直しを唱える書物「替天行道(たいてんぎょうどう)」を記し、“志”の礎となっていくリーダー。織田が「振り返れば奴がいる」(1993)、「お金がない!」(1994)などのヒット作を生み出した若松節朗監督とタッグを組み、対話と信頼で人々を動かすリーダー像に挑む。
そんな織田の出演について「信頼する若松監督とのタッグということで引き受けてくださったと思います。それと同時に、若松監督とお話ししていく中で、宋江というキャラクターのイメージが織田さんとクロスしてきたんです」と大原氏は明かす。
「熱血漢の主人公像から一歩進み、50代の落ち着きと俯瞰した眼差しで、心で人々を包み込み動かしていくリーダー像。現場での織田さんの立ち振る舞い……キャストやスタッフに分け隔てなく接してくださる姿勢は、結果的に我々のイメージする宋江像と非常に重なりました」
大人になったかつての10代にエール
一方、反町が演じる晁蓋は、武勇と闘志で仲間たちをリードし、その行動力とカリスマで組織をまとめ上げる頭領。高校時代からの原作ファンでもある大原氏は「実は原作を読んでいた当時、晁蓋は反町さんをイメージしていたんです(笑)。反町さんにもそういった思いをお伝えさせていただきました。若松監督も反町さんに晁蓋のイメージを重ねておられたので、お引き受けいただけた時は本当に嬉しかったです」と明かす。
晁蓋は、現場を牽引する実動派のリーダーとして、宋江と理想的なパートナー関係を構築している。そんな二人の関係を、大原氏はこう表現する。「北方先生は、原作執筆時にこの二人のリーダーを(フィデル・)カストロと(チェ・)ゲバラに見立てていたんです。思想派のリーダーと実動派のリーダー。この二人のリーダーを通じた組織運営やリーダー論は、現代のどの国、どの社会にも当てはまる普遍的なテーマだと思います」
そんな時代を支えるリーダーに二人をキャスティングした理由には、大人になった10代へのエールも込められた。「私は今ちょうど30代半ばの世代で、まさに『踊る大捜査線』や『GTO』を観て育ってきた世代です。当時の小・中学生にとってのかっこいい大人が、お二人の演じるキャラクターだった。でも、いざ大人になって『あれ? かつてのあの人たちみたいな勢い、今の自分は持てているのだろうか?』という気持ちを抱えている方は少なくないと思うんです。だからこそ、今の織田さんや反町さんにリーダーとして引っ張ってもらえたら、さらなる希望や勇気をもらえるんじゃないか……という思いもあって、お声がけをさせていただきました」
閉塞感に満ちた時代へのメッセージ
この二人のリーダーシップには、脚本を担当した劇作家・藤沢文翁の背景も深く反映されている。藤沢は、本田技研工業の「もう一人の創業者」と称される、藤沢武夫氏を祖父に持つ人物。大原氏は、本作における宋江と晁蓋の関係性には、本田宗一郎氏と藤沢武夫氏という、巨大な組織を生み出し、時代を切り開いてきた二人の関係が重ねられていると明かす。
そのうえで大原氏は、なぜ宋江を主人公に据えたのか。現代社会が抱える閉塞感と、求められるリーダー像の変遷について語る。
「もちろん、若い世代の方々には、林冲のように熱い男の物語やアクションに感情移入いただけると思います。同時に『組織で上下に挟まれて葛藤する姿』や『制御の効かない熱い個性をどう導くか』という物語を中心に据えることで、日本だけではない、モヤがかかったように閉塞感に満ちた現代において、先頭に立って牙を剥くのではなく、人々に寄り添い、語りかけることで周囲を動かしていく。そうした宋江のリーダー像こそが、新しい時代を切り拓く鍵になるのではないかという思いがあります」
「また、脚本の藤沢さんとは、女性キャラクターについてもよくお話をしました。松雪泰子さんが演じる馬桂(ばけい)や、波瑠さんが演じる済仁美(さいじんび)など、今の時代だからこそできる描き方を心がけています。梁山泊のメンバーと同じく彼女たちも己の信念をもって生きている。その生き様をしっかりと描くためのドラマでもあるんです」
歴史物のハードルを感じさせない、現代にこそ求められるリーダー像と、その下に集まる英傑たちの熱い生き様を映し出す「北方謙三 水滸伝」。本作を映像化するためにWOWOWの門を叩いたという大原氏は、作品が届けるべきエネルギーについてこう締めくくる。
「誰しもが共感できる人間ドラマ……愛、家族、上司と部下、葛藤など、現代社会で生きる人々が感じる感情の全てが『北方謙三 水滸伝』には内包されています。 観た後に『明日も頑張ろう』『自分も何かを変えてみよう』と思えるポジティブなエネルギーを受け取っていただけると嬉しいなと思っております」。“志”を胸に立ち上がる“はみ出し者”たちの戦いが幕を開ける。
連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」2月15日(日)スタート 毎週日曜 午後10:00(全7話)
放送:WOWOW、配信:WOWOWオンデマンド、Lemino


