『国宝』最多10部門受賞で席巻 吉沢亮、横浜流星ら作品の広がりに感謝
第49回日本アカデミー賞

第49回日本アカデミー賞の授賞式が13日、グランドプリンスホテル新高輪で行われ、李相日監督の映画『国宝』が最優秀作品賞に輝き、最多10部門で受賞した。
『国宝』は、吉田修一が3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験をもとに書き上げた同名小説を『悪人』『怒り』などの李相日監督が映画化。極道の息子として生まれながらも歌舞伎の世界で稀代の女形としての才能を開花させ、芸の道に人生を捧げた主人公・立花喜久雄の50年を追う。主人公・喜久雄役の吉沢亮をはじめ横浜流星、渡辺謙らの吹替えナシの歌舞伎シーンも話題を呼び、日本国内では22年ぶりの記録更新となる邦画実写ナンバーワンの興行収入となり、社会現象を巻き起こした。日本時間16日に行われる第98回米アカデミー賞では、日本映画として初めてメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされ、受賞の行方が注目される。
1月に発表された優秀賞で、最多12部門16賞で受賞していた『国宝』。最優秀賞は作品賞のほか、美術賞(種田陽平/下山奈緒)、撮影賞(ソフィアン・エル・ファニ)、照明賞(中村裕樹)、録音賞 (白取貢)、編集賞(今井剛)、音楽賞(原摩利彦)、脚本賞(奥寺佐渡子)、主演男優賞(吉沢亮)、監督賞(李相日)を受賞した。
作品賞受賞が発表されると李監督は「特に言うべき言葉が見当たらないぐらい……こういう時なんて言ったらいいのかな」と迷った様子で撮影監督のソフィアン・エル・ファニに救いを求めつつ、「こうしてこの場にみんなと立てることの喜びは多分生涯忘れないですし、これから今まで個人的ですが他の作品で一緒に戦ってきた方もいるし、将来、また一緒に戦うことになる仲間もいると思うので、みんなでこの日本映画というものをまた力強く進めていきたいと思っております。本日はありがとうございます」とスピーチ。
次にコメントを求められた横浜は「え、自分ですか?(主演の)吉沢ではなく」と一瞬戸惑うも「おめでとうございます」とチームを祝福。そして「本当にこんなにもたくさんの方々にこの作品が広がり、普段映画館に足を運ばない方にも「国宝観たよ」と足を運んでくださっている。すごく自信がついたというか。いいものを作れば必ず見てもらえるんだとすごく励みになりました。自分も日本映画界を発展させるために役を生きるのみだと思っておりますので、これからもよろしくお願いします」と作品の広がりに感謝しつつ、俳優として意を新たにする。
主演の吉沢は「本当にこの作品が公開されてからたくさんの、今まで経験したことがないぐらいたくさんの方々から反響をいただきまして、同い年の役者から“役者っていう仕事はやっぱりかっこいいんだなとこの作品を観て思った”という話をしてくれて、それが僕の中では非常に心に残っているんですけれども。この芸の世界に生きている人でもそうでない人でも、本気に何かに打ち込む姿を見ると人は感動するんだなというのがこの映画で伝わったのかなと。何を言っているのかわからなくなってきましたけど、非常に……本当にありがとうございます」と受賞の喜びをかみしめた。
すると李監督が続けて「本当にたくさんの方に観ていただくにあたって、我々作り手だけでなく作品を送り届けるために宣伝含め、いろんな、そして映画館の方も含め観客の方も含め映画というものを全員で世に訴えて届けようという。共に盛り上げていただいたみなさんに感謝を申し上げたいと思います」と、改めて作品に関わったすべての人に感謝を述べた。
主な受賞結果は以下の通り。(編集部・石井百合子)
■最優秀作品賞(各項五十音順 アルファベット順一部除く)
『国宝』
■最優秀アニメーション作品賞
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
■最優秀監督賞
李相日『国宝』
■最優秀脚本賞
奥寺佐渡子『国宝』
■最優秀主演男優賞
吉沢亮『国宝』
■最優秀主演女優賞
倍賞千恵子『TOKYOタクシー』
■最優秀助演男優賞
佐藤二朗『爆弾』
■最優秀助演女優賞
森田望智『ナイトフラワー』
■最優秀撮影賞
ソフィアン・エル・ファニ『国宝』
■最優秀照明賞 ※撮影賞に準ずる
中村裕樹『国宝』
■最優秀音楽賞
原摩利彦『国宝』
■最優秀美術賞
種田陽平/下山奈緒『国宝』
■最優秀録音賞
白取貢『国宝』
■最優秀編集賞
今井剛『国宝』
■最優秀外国作品賞
『教皇選挙』
■新人俳優賞
河内大和『8番出口』
白山乃愛『秒速5センチメートル』
中島瑠菜『TOKYOタクシー』
坂東龍汰『爆弾』
松谷鷹也『栄光のバックホーム』
見上愛『国宝』
森田望智『ナイトフラワー』
(※新人俳優賞は最多受賞数に含まず)


