「豊臣兄弟!」信長の折檻シーンでワイヤーアクション チーフ演出が裏側明かす

第27回より光秀(要潤)を蹴り飛ばす信長(小栗旬)
第27回より光秀(要潤)を蹴り飛ばす信長(小栗旬) - (C)NHK

 仲野太賀主演の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(NHK総合・毎週日曜午後8:00ほかで放送中)の12日放送・第27回では、織田信長(小栗旬)が家臣・明智光秀(要潤)に討たれる「本能寺の変」が描かれた。多くが知る下剋上のエピソードのほか、信長が徳川家康を接待した際に光秀を蹴り飛ばす場面も登場。同シーンではワイヤーアクションを用いたといい、収録の裏側をチーフ演出の渡邊良雄が明かした(※ネタばれあり。第27回の詳細に触れています)。

【画像】信長(小栗旬)が光秀(要潤)を殴る蹴る…第27回場面写真

 第27回「本能寺の変」では、安土城で信長が家康(松下洸平)を接待していたところ、食事に毒が盛られていたことが発覚。饗応役の光秀が首謀者をかばっていると察した信長は逆上する。ここで信長が光秀を蹴り飛ばす描写があったが、渡邊は収録をこう振り返る。

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 「小栗さんに、光秀に対してこれまで見たことがないぐらいに殴る蹴るをしてくださいとお願いして、ワイヤーアクションをやりました。信長が廊下で光秀を折檻する最後の1発を飛び蹴りにして、ワイヤーアクションで庭の奥まで光秀が吹っ飛ばされる。マンガチックだと思われてしまうのも覚悟でやりました。信長の光秀に対する容赦ない仕打ちを描き、その後、信長は光秀が無実であることを知るわけなんですけど、それに対しての謝罪もなく終わる。光秀ってすごく気の毒な人だなと。仕える人がことごとく合わなかったんじゃないか、そんなふうに見えるようにイメージしました」

 光秀はなぜ信長に謀反を起こしたのか。大きな謎とされてきたが、本作では信長に恨みを抱くある人物の思惑に光秀がのせられて謀反に至る展開に。本能寺で追い詰められた信長は切腹の儀を進め、弟・信勝(中沢元紀)の幻をみながらふっと笑い「是非もなし」と脇差を突き刺す…という流れだった。そんな信長の最期を見届けた渡邊は「自分が担当した回ももちろんそうだし、ずっと信長は辛いんだろうなと思って見ていた」と振り返る。

 「本作で小栗さんが演じた信長は、いわゆる僕らのイメージする信長であり続けるために、実の弟を手にかけるなどいろんなことを犠牲にした人なんだなという気がしていて。第3回でも、岩倉城を攻め落とす場面と並行して、妹の市(宮崎あおい※崎=たつさき)が藤吉郎(秀吉/池松壮亮)に“兄上は辛いのだ”と信長の胸中を慮る場面がありましたが、信長は市にだけは本音を少し吐けるけれどそれ以外、特に家臣たちの前では決して素顔を見せられない。強権を発動する男を演じ続けているというか、それを自分に課していることの大変さ、辛さみたいなものが、本能寺で少し解放される。もう人生に未練はないと。小栗さんのお芝居も相まって、そういう風に見えるようになったんじゃないかなと思っています」

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 明智軍が本能寺に攻め入った時、信長は幻の光秀に相対して「お前じゃない」とつぶやくが、これはもともと脚本になく、小栗が提案したものだったという。

 「信長には自分の後継者が秀吉だという確信があった。自分を倒しに来たのが秀吉だったら“まあそうだろうな”と思えたのに、それが光秀だったので“お前じゃない”と言うんです。秀吉が自分を乗り越え、代わりに天下一統を進めるのであれば本望。なので、信長の死に際に弟・信勝の幻が“兄上、われらの一生、ろくなものではござりませんでしたな”とい言うシーンがありますが、ろくなものじゃなかったことは確かなんだけれども、でも自分は託す人間ができた、それが秀吉なんだという意味を込めた作りにしました。小栗さんと話をしたところ、自分の人生を諦めることができたのは秀吉という存在があったからだという風に作れれば、今回の「豊臣兄弟!」における本能寺の変に理屈が通ると言いますか。そういう思いでやりましょうとお話ししました」

 なお、本能寺のシーンは、本堂をオープンセットで建て、本物の炎を用いて撮影するという試みがなされた。(編集部・石井百合子)

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