山崎賢人&吉沢亮の8年にわたる成長 『キングダム』佐藤信介監督が明かす

『キングダム 魂の決戦』より信(山崎賢人)
『キングダム 魂の決戦』より信(山崎賢人) - (C) 原泰久/集英社 (C) 2026映画「キングダム」製作委員会

 原泰久の人気漫画を実写映画化したシリーズの第5弾『キングダム 魂の決戦』(7月17日公開)の佐藤信介監督が、主人公の秦国の武将・信と、国王のエイ政(※エイ政のエイは、上に亡、中に口、下左から月、女、迅のつくりが正式表記)を演じた山崎賢人(※「崎」は「たつさき」)と吉沢亮について語った。

【画像】人気キャラずらり『キングダム 魂の決戦』場面写真<12点>

 七つの大国が覇権を争う紀元前の中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になる夢を抱く主人公・信と、中華統一を目指す秦国の若き王・エイ政を描く本シリーズ。第5作では、秦以外の六国が手を組んだ総勢50万の“合従軍”が秦国へ攻め入ってきたことから国家存亡の危機に瀕した秦は、国門・函谷関(かんこくかん)に全勢力を結集し、20万の軍勢で迎え撃つ総力戦を挑む。エイ政は国王として秦の首都・咸陽の王宮内で廷臣たちと共に事態の対応に奔走し、千人将に昇格した信は、函谷関で飛信隊を率いて激闘に身を投じる。

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 信役の山崎とエイ政役の吉沢と、シリーズ第1作の撮影から約8年近く組んできた佐藤監督。『キングダム』シリーズの成功なども相まって、山崎と吉沢は、今や人気・実力共にトップクラスの日本を代表する俳優に成長した。その間に配信ドラマ「今際の国のアリス」シリーズ(2020・2022・2025)でも組んでいる山崎について佐藤監督は「2作品のシリーズで長らく一緒に作品を撮り続けてきているので、久々に会ってその成長を感じるような機会はなかなかないけれど、振り返ると“いろんなことをやってきたよね”と言い合えるような、一緒に積み上げてきたものがある。今度はああしよう、こうしようと、いろいろ話し合ったり試し合いながら、ずっとやってきていますね」と信頼、共闘関係の深さを語る。

 山崎とは長く組んできているだけに、「現場で長い時間をかけて話し合ったりせずとも、“もうちょっとこうしよう”といった一言でも伝わるし、大変な撮影でも頭を抱えるようなことはなくどんどん進めていける」という。今回は山崎と、千人の兵を率いる千人将に昇格した信の成長についても語り合ったそうだ。

 「わかりやすいところではもちろん千人将として成長した部分も見せたいけど、どちらかというと変わらない部分の方が大事だよねと。(信率いる)飛信隊の仲間と接している時や、(今回初登場する新世代の若手武将の)蒙恬(志尊淳)と王賁(神尾楓珠)と同級生みたいに接している時など、同じ目線で接するときには、千人将らしからぬ感じというか、王騎が言っていた“童信(わらべしん)”じゃないけど、かつて奴隷時代に漂とふざけ合っていたような頃の信が変わらずにある。そうした部分が見える瞬間にこそ信の魅力も感じられると思うので、成長した部分と変わらない部分のバランスが大事だと思っていました」

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『キングダム 魂の決戦』よりエイ政(吉沢亮) (C) 原泰久/集英社 (C) 2026映画「キングダム」製作委員会

 一方、エイ政を演じた吉沢とは、一気に撮った2~4作目の撮影以来、約3年ぶりに現場を共にした。その吉沢と最初に組んだのは、2018年公開の映画『BLEACH』。吉沢は主人公・黒崎一護(福士蒼汰)の同級生で、実は滅却師(クインシー)という特殊な一族の役を演じており、当時と現在では全く印象が違うという。

 「『BLEACH』当時の撮影現場での吉沢さんは、実際の性格まではわからなかったけれど、役柄にも近い大人しくて教室の隅に居るような印象でした。その吉沢さんを『キングダム』の1作目でエイ政役に起用したいと松橋真三プロデューサーから聞いた時には、後に始皇帝となる国王役なわけですから、 “あの吉沢さんが?”と意外に感じました」

 『キングダム』第1作で再び吉沢と組んだ佐藤監督は「演技者としての吉沢さんは、当時から突然に孤高のところに行く感じがあって、スッと役に入られるんですよ。それをすごいなと思って見ていた」と振り返る。役によって変化する吉沢の振り幅の大きさを実感したわけだが、今回組んでみても、その国王ぶりが研ぎ澄まされているのを感じたという。

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 「1作目の後、2~4作目を経て、久々に今回の現場で見ていても、王宮の真ん中にいる国王としての佇まいが、公私共々に増してきたように感じて、久々に会うとピリッとした感覚さえ覚えました。それはあくまで国王・エイ政としてのもので、吉沢さんの雰囲気がもうそのままエイ政に迫ってきているようだった。もちろん芝居の段取りや演出について話しますが、エイ政そのものが、もはや吉沢さん自身の中に宿っているかのようにさえ感じました。それは山崎さんも同じで、1作目の時は手探りでしたから山崎さんも吉沢さんも、信とエイ政のキャラクター像から話し合いましたが、今はその時々の場面での動きや演出についてお話するぐらいです」

 あらためて、現在の俳優としての吉沢の魅力はどのように感じているのか?

 「やっぱり役の振り幅の大きさがすごい役者さんで、全然違うキャラクターを演じることができる。僕は現場ではエイ政としての吉沢さんしか見ていないけど、他の作品を見ると全く違う。もしかしたらエイ政というキャラクターは、吉沢さんの振り幅の中でもある極みを形成していて、その反対側の極みに例えばコミカルな役があったりするのかなと。物静かで誠実な人に見える時もあれば、おちゃらけた人のように見える時もある(笑)。ある種、真の姿はベールに包まれていて、変幻自在というか、どの方向にも行ける感じのミステリアスな部分がある気がして、自分の世界が広い方なのかなと思う。ご本人には言ったことないですけど(笑)」

 佐藤監督の言葉からは、二人が信とエイ政の最大の理解者であるという信頼感やリスペクトと共に、長いシリーズで積み重ねてきた重みが感じられた。(取材・文:天本伸一郎)

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