宮内洋「快傑ズバット」幻の“続き”をステージ生披露 東条刑事役・斎藤真との再会にファン歓喜

「仮面ライダーV3」「秘密戦隊ゴレンジャー」「快傑ズバット」などで知られる俳優の宮内洋が17日、渋谷の LOFT9 Shibuyaで行われたトークイベント「『Michi Yamatoのガチトーク!』宮内洋のヒーロー道」に出席、自身の代表作である「快傑ズバット」を中心に俳優人生を振り返った。イベントの後半では同番組で東条刑事を演じた斎藤真も参加し、宮内とともに撮影秘話を明かした。
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本イベントの企画・MCを務めたのは、アメリカで制作されたハリウッド版・仮面ライダー「マスクド・ライダー」を担当したスーツアクター&アクション監督で、特撮アクションを支えた大野剣友会OBの Michi Yamato(ミチ・ヤマト)。イベントの前半では宮内の特撮作品での歩みを振り返り、後半は1977年放送の「快傑ズバット」を中心にトークを繰り広げた。
同作で宮内が演じたのは、親友の仇を追って旅を続ける私立探偵・早川健。白いギターを片手に全国をさすらい、土地の悪いヤツらを退治していくという物語だ。「快傑ズバット」は特別な作品だと語る宮内は、出演のきっかけはプロデューサーからの「お前のために企画を考えた」というラブコール。企画書を読んだ段階で「これはひょっとしたら俺の作品になるかもしれない」という確信を持ったという。
そして、その予感通り、同作を通じて“宮内洋ここにあり”というべき芝居の礎がつくりあげられたと自負する。「いろんな作品をやりましたが、ズバットでは芝居も好きなようにやらせてもらった。だからズバットは大事にしたい作品」と思い入れの強さもひときわの様子だ。
また、健の人を食ったようなニヒルな芝居や、独特のポーズについても、「ああいうのはもう、全部自分で考えました」と述懐。着想の一つになったのは、ハワイで出会った子どものしぐさだったという。「英語が通じてなかったのか、子どもが肩を上げて『ん?』とやるしぐさが本当にかわいくて。これは何かに使えないかと考えていたんですけど、ズバットの時に『これだ!』と思った。でもそれを大人が大人にやると『なんだ小ばかにしやがって。じゃ勝負するか!』となるんですよ」と明かした。
イベントの後半には、東条刑事役の斎藤が来場。東条刑事は健の大学時代からの友人で、ズバットの正体を知る唯一の人物となる。普段はこうしたトークショーに出る機会もなかなかないという斎藤だが、「ズバットだから来た」といい、「あの時、わたしは37歳くらい。レギュラーについたのははじめてだったんですけど、その時に迎え入れてくれたのがこの宮内さん。今日は、46年間会ってなかったのに、斎藤を呼んだらどうかと言ってくれたらしくて。覚えていてくれたのがうれしかった」とコメント。この貴重なツーショットに、会場からは歓喜の拍手が鳴り響いた。
劇中では仲の良かった早川、東条のふたりだが、第11話では大立ち回りを繰り広げるシーンがあった。その時を斎藤は「彼(宮内)は万能型。言うなら大谷選手みたいなものですよ。ピッチャーとしてもすごいし、バッターとしてもすごい。わたしはとにかくひとつの守りしかできないタイプ。ただわたしは柔道をやってたんで、受け身はうまかったんです。彼は投げるのがうまいしね」と評するひと幕も。
撮影の外でも、宮内に驚かされることがあったという。「とにかくお酒が強い。わたしも一升でも大丈夫だったんで、毎晩勝負をしていたんですけど、彼は二升飲んでも全然酔わない。完全に負けましたね。本当に冷静そのもので、こいつどこまでカッコいいんだと思ってました」と豪華なエピソードを披露し、会場を驚かせた。
斎藤が東条刑事役に選ばれたのは、当時所属していた劇団の先輩だった小林昭二さんの紹介だったという。「正直言って、子ども番組にしてはレベルが高いなと思いました。宮内さんが書いた『ヒーロー神髄』という本にもありましたけど、ズバットはまさに教育番組。1本ごとにいいことを教えてくれる。あれを半年で終わらせたのはもったいなかった」と振り返る。
その言葉通り、番組としての視聴率は高かったものの、グッズの販売が不振だったため、提供スポンサーが降板。番組は早期終了という憂き目にあった。それゆえ宮内も「やり残したことは大いにありますよ」とコメント。「(プロデューサーの)平山亨さんは『絶対にまたやるからな』と言っていたんですけど、会社からのオッケーが出なくて。仕方がないので他社で撮ろうということになって。クランクイン寸前までいったんだけど……」と無念そうな表情。そこでMCのMichi が「その続きをここでやりたいですよね!」と会場に呼びかけると、会場からは大きな拍手が。
そんな中、Michiは「実は皆さんにお話ししたいことがあります」と切り出し「イベントの最初、僕たちがアクションを見せるところから始まったんですけど、本当はそこに宮内さんがやってきて、(健の名セリフをもじった)『ちょっと待った! そのアクションは二番目だ』と言って登場してくださいとお願いしたんです。僕も仕事でアクションをやっているわけなので、自分を下げるのはどうかと思ったんですけど、宮内さんならいいやと思ったんです。でも、宮内さんからお返事が来て、それはダメだと。お前たちががんばって、素晴らしいアクションをやっているんだから、お前たちを下げて出ることはできないと言ってくれたんですよ。このメールを読んだのが、友人と食事をしている時で、その文章に泣きました。そういう素晴らしい心を持った人が、ああいった番組の主役をやったことで、僕らは感動したと思うんですね。だからこそ斎藤さんも共鳴してくださり、今日は出るよと言ってくださった。本当に感謝しております」と語り、会場には拍手が鳴り響いた。
そんなそれぞれの思いを胸に、ステージではいよいよ「快傑ズバット」の“続き”を生披露。(悪の組織)ダッカーの戦闘員に囲まれた東条刑事を早川健が助けるというシチュエーションのアクションをステージで行うことになった。Michiがその場で立ち回りを振りつけ、そこで宮内がアクションを披露すると、会場は大喝采。最後は観客にむけて投げキッスを飛ばし、会場を大いに盛り上げた。(取材・文:壬生智裕)



