「ブラッサム」金子大地、保の嫉妬「人間らしさが出た瞬間」石橋静河と作り出した珠との空間

連続テレビ小説「ブラッサム」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)で木村保を演じている金子大地が、朝ドラ初出演の心境や保の役づくり、主人公・葉野珠(石橋静河)との関係性が大きく動いた第5週・第25回(30日放送)の撮影秘話を語った。
作家・随筆家の宇野千代をモデルとした「ブラッサム」は、奔放に生き、多くの人々を魅了した主人公・葉野珠の波乱万丈な人生を描くオリジナルストーリー。珠のいとこである木村保は、学業優秀でユニークな一面を持つ青年。泰然自若で、誠実な人柄もあいまって、不思議なオーラを放つ。
連続テレビ小説への出演は、金子の俳優人生において一つの目標となっていた。「ブラッサム」への出演が決まり「めちゃくちゃ嬉しかった」と当時を振り返った金子は、「過去にNHKの作品でご一緒した信頼できるスタッフの皆さんが揃っており、30歳という節目の年にこの作品に巡り会えたご縁に深く感謝しています」と感慨深げに語る。
「母が昔から朝ドラの大ファンで、出演が決まった際は、親孝行ができたと感じました。また、普段あまり連絡を取っていなかった地元の同級生からもたくさんお祝いのメッセージが届き、改めて朝ドラの影響力の大きさを実感しています」
保を「頭が良くて、真っ直ぐで優しい人」と表現する金子は、「喜怒哀楽をしっかり出しつつ、『珠のことが大好きなんだ』という気持ちが伝わるように、自分が感じるものをそのまま役に投影していきました」と役へのアプローチ方法を明かす。
人の気持ちに寄り添う心優しき保だが、珠が化粧したことに気づかないなど、鈍感な一面もある。「『ここでそれ言っちゃうんだ』というような、悪気のない真っ直ぐなズレがあるのが人間らしくて面白いところです」
金子が最も魅力的だと感じるのは、「さまざまなことが起こっても保が珠の背中を押せるところ」だという。
「保は家庭的な安定した生活に幸せを感じる一方、珠はインプットしたものをアウトプットして作家として生きていく。珠の考えていることを完全には理解できないながらも、彼女が作家として認められた時に背中を押して送り出してあげられる。そこが保の最も強い部分であり、素敵なところだと思います」
第5週・第25回では、“兄妹”と偽っていた保と珠の想いが通じ合い、二人の距離が大きく縮まった。金子は「下宿先で1年間一緒に暮らす中で、ずっと“兄様”として扱われるもどかしさに耐えられなくなっていた時期です。珠が他の男性と一緒にいる姿に嫉妬してしまうなど、保の人間らしい一面が出た場面でした。思わず本音や想いが溢れ出してしまうシーンだったので、とても緊張しました」と当該シーンを振り返る。
撮影では、演出や主演の石橋と話し合いを重ね、二人のシーンを作り上げていった。「台本で読むのと実際に現場で演じてみるのとでは感覚が異なるため、着物を着ている時の距離感や、『この距離ならこのセリフはこう言おう』『抱きしめるのではなく握手にする』といった細かな機微を、演出の方や石橋さんと丁寧に話し合いながら、誠実さが伝わるように演じました」
過去に石橋と共演経験のある金子は、「石橋さんは誰よりも作品のことを考えていらっしゃって、それが周囲にも伝染して良い作品づくりにつながっている場面を身近で目の当たりにしています。現場でも明るくみんなを引っ張ってくださる姿に、毎回『すごいな』と感銘を受けています」と座長としての姿勢を絶賛する。
珠と保のシーンが増えていく中、二人でシーンを成立させるための本読みもしっかり行っているという。「『こうした方がいいんじゃないか』という提案を出しやすい環境を、演出やスタッフさんが作ってくださる中で、石橋さんも『ここ、どう思う?』『気を遣わず、自分の思っていることをやっていいからね』といつも声をかけてくださり、とても心強く引っ張ってもらいました」
金子は「これから珠の人生にはさまざまな波乱が起きますが、保は作家としての彼女の背中を押し、温かく寄り添う存在です」と今後の見どころをアピール。「東京での日々や北海道での濃密な暮らしの中で、スタッフ・キャスト全員が一切の妥協なく、繊細な愛を持って一つひとつのシーンを丁寧に作り上げました。観てくださる方の心に必ず届くものがあると思いますので、ぜひ最後まで楽しみにご覧いただけたら嬉しいです」と視聴者に呼びかけた。(編集部・倉本拓弥)



