ぶっ飛び具合が最高!1月の5つ星映画5作品はこれだ!

今月の5つ星

 今月の5つ星映画は、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作、全編手描きのゆるアツ青春アニメ、岩井俊二監督最新作、10歳の少年が活躍するヒューマンドラマ、豪華キャスト勢ぞろいの極上ミステリー。これが1月の5つ星映画5作品だ!

ポン・ジュノ監督の真骨頂と言うべき衝撃作

パラサイト
(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

パラサイト 半地下の家族』(1月10日公開)

 韓国映画で史上初のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)に輝いた本作。『殺人の追憶』『母なる証明』などのサスペンスフルなストーリーテリングで世を驚かせ、『グエムル -漢江の怪物-』など市井の人々の受難を通して問題提起してきたポン・ジュノ監督の真骨頂であり、ネタバレ厳禁のブラックコメディーだ。半地下に暮らす貧しいキム家と、決して交わるはずのない裕福なパク家が接触したことによって、資本主義社会の悲劇が浮かび上がっていく。長男がパク家の家庭教師の職を得たことは、明日をも知れない生活を送るキム家にとって千載一遇のチャンス。しかし、両家の行く末を見届けた後にはやるせない余韻が残る。とりわけ目を引くのは、感傷的な描写を省いているところ。裕福なパク家は滑稽に描かれ、本来は同情を誘うはずの貧困層のキム家の面々もポジティブすぎて共感しにくいかもしれない。そんなドライな描写が徹底しているからこそ、キム家の主にふんするソン・ガンホのクライマックスの表情は強烈な印象を残す。(編集部・石井百合子)

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アニメーションならでは!ゆる~く、熱い青春ドラマ

音楽
(C) 大橋裕之・太田出版/ロックンロール・マウンテン/Tip Top

音楽』(1月11日公開)

 大橋裕之が自費出版した漫画を、岩井澤健治がほぼ独力&全編手描きでアニメーション化した本作は、ギターとベースの区別もつかない主人公・研二が、仲間を誘いバンドを組み奮闘する青春ドラマ。坊主にヒゲ姿と高校生思えない風貌の研二が、独特な間で仲間たちと全編にわたって繰り広げる会話はユニークで、バンドへのやる気があるのかわからない姿が笑いを誘う。一方の演奏シーンはゆるい会話とは対照的に、アニメーションならではのダイナミックな演出が光る。さらに、アニメーション作品にもかかわらず、野外フェスのシーンのために実際にステージを組みミュージシャンや観客を動員してライブを行うなど、岩井澤監督のこだわりと熱量が伝わってくる。意外な音楽の才能を開花させ、熱い青春を送ることになる研二たちバンドメンバーの声を務めた坂本慎太郎駒井蓮前野朋哉のいい意味で力の抜けた声は心地よく、声優として参加しているミュージシャンの岡村靖幸の声の使われ方もニクイ。また、音楽を愛する森田(声:平岩紙)ら脇を固めるキャラクターも圧倒的な存在感を放つ。(編集部・梅山富美子)

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岩井俊二監督ファンにはたまらない初恋ムービー

ラストレター
(C) 2020「ラストレター」製作委員会

ラストレター』(1月17日公開)

 岩井俊二監督の最新作は、手紙の行き違いを機にはじまる男女2世代の恋愛と成長の物語だ。タイトルからして初期の代表作『Love Letter』(1995)を彷彿させ、亡くなった人をめぐる手紙のやり取りといった物語や設定からもその面影を感じるが、二つの世代を描く群像劇が味わい深く新鮮でもある。『四月物語』(1998)の松たか子、『Love Letter』の中山美穂豊川悦司といったキャスティングは、これまでの岩井監督作の総まくりかのようでファンにはたまらない。一方で、岩井組初参加にしてそれぞれ一人二役を務めた広瀬すず森七菜の存在感が大きく、この作品の“光”はまさにこの二人が担っている。SNSが日常の一部となった現代で交わされる手紙というアナログなツール、初恋という特別な恋の物語、岩井俊二監督のみずみずしくエモーショナルな映像美。そのどれもが見事に調和し、小林武史の音楽が切なさを爆発的に加速させている。(編集部・吉田唯)

理不尽さに打ち勝つユーモアとイマジネーション

ジョジョ・ラビット
(C) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation &TSG Entertainment Finance LLC

ジョジョ・ラビット』(1月17日公開)

 第2次世界大戦下のドイツを舞台に描かれる感動の物語。ヒトラーを空想の友人に持つ10歳の少年ジョジョは、青少年集団ヒトラーユーゲントに入団し、ユダヤ人を憎むべき存在だと信じてきた。しかし、年上のユダヤ人の少女エルサと出会ったことで、世界がひっくり返ってしまう。監督も務めたタイカ・ワイティティふんするヒトラーや、片目を失った大尉が率いる合宿の様子は面白おかしく描かれ、風刺コメディーとしてかなり楽しめる。皮肉屋でクールなエルサとの交流は感動的で、恋人と離れ離れの彼女のために嘘の手紙を書くジョジョの優しさは胸を打つ。ジョジョを演じた新人ローマン・グリフィン・デイヴィスの演技は、目まぐるしく変化する少年のみずみずしい心の動きを見事に表現しており、大尉役のサム・ロックウェル、母親役のスカーレット・ヨハンソンに引けを取らない。ナチスやヒトラーという悪をただ風刺するのではなく、どこにでもある不条理なものといかに向き合うべきかを教えてくれる至福の一作だ。(編集部・大内啓輔)

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俳優陣のぶっ飛び具合が最高!『スター・ウォーズ』監督が贈る極上ミステリー

ナイブズ・アウト
Claire Folger Motion Picture Artwork (C) 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(1月31日公開)

 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を手掛けたライアン・ジョンソン監督が、ダニエル・クレイグクリス・エヴァンスら豪華キャストを迎えて挑んだ王道ミステリー。世界的ミステリー作家殺人事件の調査を依頼された名探偵が、曲者ぞろいな被害者の家族を取り調べながら謎を解明していく。独自のユーモアと現代社会への鋭い視点を織り交ぜながら描き出すミステリー好きなジョンソン監督が仕掛ける、先の読めない展開とユーモラスな演出が絶妙で、オリジナリティーのある世界観を作り出している。また、名探偵役のダニエルはもちろん、ジェイミー・リー・カーティスマイケル・シャノントニ・コレットら実力派俳優が演じる強烈なキャラクター同士のセリフの掛け合いも見逃せない。特に、問題児扱いされるバカ孫役に挑んだクリス・エヴァンスの存在感は別格。正統派ヒーローであるキャプテン・アメリカを演じていたとは思えないほどのぶっ飛び具合に驚く。ジョンソン監督のミステリー愛がさく裂した、まさに極上エンターテインメント大作。(編集部・倉本拓弥)

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