心がときめきっぱなし!2月の5つ星映画5作品はこれだ!

今月の5つ星

 今月の5つ星映画は、土屋太鳳の主演最新作、人魚とパリのファンタジー、西川美和監督の最新作、フランスで実際に起こった未解決事件を映画化した法定サスペンス、山内マリコによる同名小説の映画化作品。これが2月の5つ星映画5作品だ!

こんな狂気に満ちた土屋太鳳が見たかった!

哀愁しんでれら
(C) 2021 『哀愁しんでれら』製作委員会

哀愁しんでれら』2月5日公開

 土屋太鳳が3度オファーを断ったという難役に挑んだサスペンス。TSUTAYA CREATORS' PROGRAM でグランプリに輝いた新鋭監督・渡部亮平による脚本を映画化。娘を一人で育てる開業医の男性と結婚し、一気に幸せを手に入れたはずのヒロインが、社会を震撼させる凶悪事件を引き起こすことになるまでを描く。主人公・小春は、幸せになりたいと願う、ごく普通の女性。母親に捨てられた過去を抱えながらも、明るく家族を支える姿は、土屋の持つパブリックイメージとも遠くない。そんな自身のイメージを逆手に取り、幸せを追い求めるがゆえに狂気を帯びていく小春を演じる、土屋のリアルな演技は圧巻。王道ヒロインを務めることも多い傍ら、『累 -かさね-』で見せた悪女ぶりもシビれたが、本作では子ども相手に「うちの子がやるわけないでしょ!」とドスをきかせる。これ以上はネタバレになりそうだが、これだけは言いたい。こんな土屋太鳳が見たかった!(編集部・中山雄一朗)

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優しい魔法にかけられる甘い恋物語

マーメイド・イン・パリ
(C) 2020 - Overdrive Productions - Entre Chien et Loup - Sisters and BrotherMitevski Production - EuropaCorp - Proximus

マーメイド・イン・パリ』2月11日公開

 フランスのパリを舞台にした、恋をすることをやめた男と恋を知らない人魚のファンタジー。歌声で観客を魅了するガスパールが、歌声で男を殺す人魚のルラと出会う。子ども向けの絵本にも使われそうな甘いファンタジックな要素と、ガスパールの恋の傷や彼が働く老舗バーの経営状態といった大人の苦悩のバランスが絶妙。カラフルで幻想的な世界観の中で不思議なストーリーが展開され、優しい魔法にかけられたかのように観る者をのめりこませる。ケガを負った人魚を損得勘定抜きで献身的に看病するガスパールは心優しきイケメン。男は殺しちゃうけど人間のことも恋のこともよく知らないリマはピュアで可愛い。ずっと観ていたくなるほど魅力的な2人が恋に落ちてはいけないなんて……なんと悲しき運命なのか。心がずっとときめきっぱなしで、現実を忘れさせてくれる映画体験は心地いい余韻を残してくれる。人魚とパリって本当にオシャレだなぁ……。(編集部・海江田宗)

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野獣のような男を通して描く“すばらしき世界”の皮肉

すばらしき世界
(C) 佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

すばらしき世界』2月11日公開

 30年以上も前に刊行された佐木隆三の「身分帳」を原案に、『ゆれる』『永い言い訳』などの西川美和監督が時代設定を現代に置き換えて映画化した本作。実在の人物をモデルに、人生の大半を刑務所で過ごした男が出所したのち目にした“すばらしき世界”が描かれる。役所広司演じる三上正夫という主人公は、例えばチンピラに絡まれるサラリーマンを見かけたりすると見て見ぬふりをできない人情に厚い男だが、元来短気でキレやすい性格ゆえにトラブルが絶えない。劇中、あからさまに彼をモンスターのように映している瞬間があるが、生活力のない弱者に厳しい社会において、彼が遭遇する理不尽な出来事の数々を見ていると、周囲がモンスターのように思えてくる。吠えることしかできない野獣のような男の奮闘をシニカルに、深い愛情をもって描いた西川監督のまなざし、そして西川監督たっての希望でキャスティングされた役所のきめ細やかな熱演が圧巻。(編集部・石井百合子)

完全犯罪か?冤罪か?試される正義感

私は確信する
(C) Delante Productions - Photo Seeverine BRIGEOT

私は確信する』2月12日公開

 2000年にフランスで起こった、“ヒッチコック狂”による完全犯罪として社会を騒然とさせた未解決事件を基に描く法廷サスペンス。妻殺害の容疑者となった大学教授の裁判をめぐって、弁護士たちが事件の真実を明らかにすべく奔走する。有罪獲得に躍起になる検察と、無実を信じて膨大な通話記録と格闘するシングルマザーの静かな戦いは臨場感たっぷりのサスペンスで目が離せなくなる。だが、本作が正面から描こうとするのは事件の真相そのものではなく、普通の人でも陥る可能性がある過激化する歪んだ正義感の思想である。複雑な法制度とともに、メディアによって加熱する犯人探しの様相も映し出され、置き去りにされる推定無罪の原則を思い出させる。まさに今、コロナ禍においても見られる偏った正義感の暴走という普遍的な問題を突きつける。ラストで繰り広げられる、弁護士にふんしたオリヴィエ・グルメによる最終答弁は静かな感動を呼ぶ。(編集部・大内啓輔)

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“自分らしく”を肯定してくれる

あのこは貴族
(C) 山内マリコ/集英社・『あのこは貴族』製作委員会

あのこは貴族』2月26日公開

 山内マリコの小説を若手監督の岨手由貴子が映画化。東京生まれのお嬢様・華子(門脇麦)と、地方出身で経済的に苦労してきた美紀(水原希子)。同じ東京に住んでいても、まったく異なる世界を生きる2人の人生が、思わぬかたちで交錯していく。目に見えたり見えなかったりする社会的な階層や格差の存在を痛烈に感じさせる物語だが、窮屈に生きる彼女たちが内に溜め込んだエネルギーは大きい。それは、各役どころを等身大に表現した門脇、水原、石橋静河山下リオという女優陣の演技からにじみ出るもの。それぞれにとっては何気ない日常の中にも胸に刺さるキーワードがちりばめられていて、ドキッとさせられる瞬間も多い。社会的な階層という大きな違いが確実に彼女たちを隔てながら、だからこそ“違う”彼女たちが同じように葛藤し成長していく姿が際立たち、「どこにいても自分らしく生きればいいじゃん」と肯定するメッセージになっている。(編集部・小山美咲)

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