ADVERTISEMENT

【完全ネタバレ】『サンダーボルツ*』徹底解説 おまけシーンの意味&イースターエッグまとめ

『サンダーボルツ*』は『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』直結の重要作!

 マーベル・スタジオ最新作『サンダーボルツ*』は、想像以上にマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の次回作に直結していた。また、過去作と同様にMCUやマーベル・コミック関連のイースターエッグ(小ネタ)も随所に散りばめられている。ここでは、2回目以降の鑑賞でもより楽しくなるネタの数々を紹介する。(文・平沢薫)

※本記事はネタバレを含みます。映画『サンダーボルツ*』鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』直結のおまけシーン

 『サンダーボルツ*』には2つのおまけシーンが存在する(1つはレッド・ガーディアンにまつわるミッドクレジットシーン)が、次回作に直結するのは2つ目のポストクレジットシーン。まずは、2026年5月1日全米公開の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)/ Avengers : Doomsday』に直結する。サンダーボルツ*のメンバーはニュー・アベンジャーズとして紹介され、新たなキャプテン・アメリカ/サム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)がこのチーム名に納得していないという描写がある。ということは、彼自身が新たなアベンジャーズを結成した、または結成しつつあるということだろう。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)にも結成の予兆はあったが、これでアベンジャーズの結成は確定のようだ。

 また、『サンダーボルツ*』の面々が『ドゥームズデイ(原題)』に登場することは発表済みだが、本作の公開後に、マーベル公式が同作を『*ザ・ニュー・アベンジャーズ(原題) / *The New Avengers』と紹介したところを見ると、彼らは『ドゥームズデイ(原題)』にニュー・アベンジャーズとして参加するのではないだろうか。

ADVERTISEMENT

 そしてもう1作、直近のMCU新作映画ファンタスティック4:ファースト・ステップ(7月25日日米同時公開)にも直結する。エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)がモニターで見る「4」の文字が付いた宇宙船は、ファンタスティック・フォーの乗り物だろう。彼女が、宇宙船が「余剰次元」からやってくると発言することから、『ファンタスティック4』の舞台は、これまで噂されていた通り、MCUの世界観(アース616)とは別の宇宙だということがわかった。

 また、ファンタスティック・フォーの4人も『ドゥームズデイ(原題)』に登場することが発表済み。なので、ポスクレに登場したシーンは、彼らがこの宇宙に突入してきた場面で、そこに至るまでの出来事が『ファンタスティック4』で描かれるのではないか。そんな予感もしてしまう。

新キャラクター・セントリーの設定

 今回の大ネタは、MCU初登場となった新キャラクター・ボブことセントリー/ロバート・レイノルズ(ルイス・プルマン)。コミックでは「Sentry #1」(2000)で初登場。設定はコミックとほぼ同じで、ヒーロー姿で登場する時の金髪、黄色いスーツ、青いマントという外見もコミック通り。原作でも、かつては薬物依存症で精神的に不安定な部分があり、進化したスーパーソルジャー血清によって誕生し、暗黒面が出現してヴォイドに変貌する。

 彼の能力もコミックを踏まえたもの。映画では、ボブが触わると、その人物は自分のトラウマ的な記憶を見てしまうが、コミックでもヴォイドには同様の能力がある。またポスクレでボブは「もう一人のヤツ(the Other Guy)がいないと変身できない」と言うが、“もう一人のヤツ”とはヴォイドのことだろう。コミックでも、ボブはヴォイドの記憶を消されると、セントリーとしての記憶も消えて普通の人間になる。

 小ネタでは、セントリーがいるタワーの名称もコミックと同じ。ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌことヴァル(ジュリア・ルイス=ドレイファス)が、旧アベンジャーズ・タワーを購入し、名称をウォッチタワーに変えたと言うが、この名称はコミックでセントリーが住んでいるタワーの名だ。

ADVERTISEMENT

コミック由来のチーム・キャラクター・企業

 コミック由来といえばチーム名、「サンダーボルツ(アスタリスクなし)」も「ニュー・アベンジャーズ」もコミックにある名前。サンダーボルツは「Incredible Hulk #449」(1996)でコミック初登場。メンバーは元ヴィランやダークヒーローが多いが、結成事情や顔ぶれは時期により変わり、本作にも登場するUSエージェント/ジョン・ウォーカーやゴースト、タスクマスターが参加したこともある。

 ニュー・アベンジャーズのコミック初登場は「New Avengers #3」(2005)。アベンジャーズが解散した後、多数のスーパーヴィランが一斉に監獄から脱走したため、キャプテン・アメリカが新たな顔ぶれで結成する。こちらも時期によりメンバーは変化するが、基本的にヒーローが参加している。

 キャラクターでは、ヴァルのアシスタント・メル(ジェラルディン・ヴィスワナサン)が、原作コミックのソングバード/メリッサ・ゴールドを意識しているかもしれない。メルはメリッサの愛称であり、彼女は鳥の形のペンダントヘッドがついたネックレスをしている。コミックでは「Incredible Hulk #449」(1996)で初登場。ヴィランからヒーローになったキャラクターで、音波による攻撃能力を持ち、バッキー・バーンズを信頼して、彼が率いるサンダーボルツに参加したこともある。

 そのほか、ヴァルが経営する企業名「O.X.E.社」もコミック由来だ。原作初登場は「Thunderbolts Vol. 5 #1」(2023)で、映画と同じく怪しい事業を展開している。

ADVERTISEMENT

膨大なMCU過去作とのリンク

 サンダーボルツ*のメンバーは、過去のMCU作品に登場しているので、彼らのセリフには過去作とのリンクが山盛り。エレーナの過去や、タスクマスター/アントニア・ドレイコフ(オルガ・キュリレンコ)がブダペストを破壊した事件は『ブラック・ウィドウ』(2020)、ゴースト/エイヴァ(ハナ・ジョン=カーメン)がS.H.I.E.L.D.のために働いていた話は『アントマン&ワスプ』(2018)、USエージェント(ワイアット・ラッセル)の盾の逸話はドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)とリンクは数えきれない。

 また、ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)がブルックリン選出の議員なのは、彼と幼馴染の初代キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)がブルックリン出身だから。ヴァルがスピーチで言う「優れた科学技術を持つ、ならずもの国家」は、『ブラックパンサー』のワカンダと海底王国タロカン、「大統領が赤い怪物になって暴れた」は『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』のレッドハルク事件。メルが言う「私が高校生の時、宇宙人がやってきた」と言うのは『アベンジャーズ』(2012)で描かれたチタウリ襲来のことだろう。

 そして、ヴァルが主催するNYCのヒーローたちを讃えるイベントの展示物には、MCUの既出アイテムが続々。アイアンマンのヘルメット、キャプテン・アメリカの盾、ロキのセプター(杖)などが確認できる。

 セリフにも、MCU関連のイースターエッグが隠されている。サンダーボルツ*の面々が建物に閉じ込められた際、USエージェントがゴーストの脱出を阻止する音響装置を盾で壊す時、「左から失礼(On Your Left)」と言うが、このセリフはMCUファンにはお馴染み。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)の冒頭で、ランニングするサムをスティーブが何度も追い抜く時、この言葉を放っていた。それを、ごく短期間だけキャプテン・アメリカだったUSエージェントが言うところが感無量。彼にもキャプテン・アメリカの資質があることを示唆しているのだろうか。

 こうして、やはりMCUは面白いと痛感させてくれた本作。彼らが活躍する『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』が今から楽しみだが、その前に『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が控えている。同作も『アベンジャーズ』新作に直結しているに違いなく、まずはこの映画を見ないわけにはいかない。

映画『サンダーボルツ*』は全国公開中

(C) 2025 MARVEL

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT