「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン」シーズン3第2話:ボスはスペイン王の“末裔”!新たな武装集団が出現
今週のウォーキング・デッド

「ウォーキング・デッド」の人気キャラクター、ダリル(ノーマン・リーダス)とキャロル(メリッサ・マクブライド)のその後を描くスピンオフ「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」。15日に配信開始となった第2話「奉納」では、今回の敵の姿が見えてきた。(文・平沢薫)
※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」第2話をまだ観ていない方はご注意ください。
雰囲気ガラリ!異国情緒あふれるスペインの景色
第2話は、冒頭から異国情緒満載だ。ダリルとキャロルが、強盗から救った若い男女と一緒に歩く、岩山が続く雄大な風景。その上に見えてくる、歴史のありそうな城塞都市。その城壁の上に飾ってある、怪異な顔のデザインの被り物は、ドラマの後半で、住民たちが夜のカーニバルで被って踊るためのものだと分かる。この巨大な頭部を被った踊りや、それを最後に炎で燃やす行事は、19世紀から続くスペイン3大祭りのひとつサン・フェルミン祭を連想させる。
音楽も、第1話でスペインに着いた時から、クリント・イーストウッドの『荒野の用心棒』のような、マカロニ・ウェスタン映画風のギター音楽に変化している。マカロニ・ウェスタンとは、1960年代~1970年代に製作費を安くするためスペインでロケ撮影された西部劇のこと。このシーズンはスペインロケなので、このジャンルを意識しているようだ。
ダリルとキャロルの「風来坊がどこからともなく町にやってきて、すぐに去ろうとするが、町のゴタゴタに巻き込まれてしまう」という筋書きも、マカロニ・ウェスタン映画の主人公たちと同じ。今回はダリルが、愛用のクロスボウだけでなく、銃を使うところも西部劇風。スペインでのドラマは、マカロニ西部劇の雰囲気が色濃く漂う雰囲気になりそうだ。
若い女性と引き換えに…怪しい“奉納祭”
さらに今回は、シーズン3の舞台、敵、主要登場人物が見えてきた。まず、舞台は多数の人々が暮らす、山の上の城塞都市ソラス・デル・マル。スペイン語で「海のくつろぎ」という意味。この集団のリーダーである町長フェデリコを演じるのは、『ランボー ラスト・ブラッド』『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』などハリウッド映画にも進出しているスペイン俳優オスカル・ハエナダ。ダリルたちが助けた彼の姪のフスティナ役は、自国作品で活躍するスペイン女優カンデラ・サイッタ。このシーズンでは、ダリルとキャロル以外の登場人物を演じるのは、みなスペイン俳優のようだ。
また、今回の敵となりそうなのが、「王宮」を意味する武装集団エル・アルカサル。彼らは、この町から「奉納品」を入手し、その代わりに「武器」を渡している。リーダーは、スペイン王の末裔を自称するギレルモ。演じるのはスペイン・アメリカ合作映画『カネと詐欺師と男と女』のスペイン俳優ゴンザロ・ボウザだ。
この武装集団の行動は、「ウォーキング・デッド」本シリーズでニーガン(ジェフリー・ディーン・モーガン)率いる集団「救世主」が、周囲のコミュニティーをウォーカーから守る代わりに、強制的に物資を提供させていたことを思い出させるが、今回の町が集団に渡す「奉納品」は「若い女性」で、彼女たちは町に帰ってこない。また、キャロルがこの風習を批判すると、その批判に腹を立てる住民もおり、町長も「誰もが犠牲を払っている」と現状を肯定する。この状況のせいで、「救世主」との戦いとはまた別のドラマが起きそうだ。
もう一つ、何かの事件になりそうなのは、町の一員で馬や牛を扱う女性パス(アレクサンドラ・マサンカイ)と、武装集団のリーダーの妻エレナ(グレタ・フェルナンデス)の関係性。かつて親しかったとみられる2人は、何をしようとするのか。彼女たちをめぐるドラマも描かれそうだ。
ダリルの行動が波紋を呼ぶ?
第2話ラストでは、早くも事件が勃発した。祭の夜、みんな揃っての会食中、ダリルは近くのテーブルに、今回の冒頭で若い男女を襲った集団の仲間を発見。キャロルを残して、密かにナイフを持ってテーブルを離れる。その男の方も、ダリルに気づき、仲間と3人でダリルを追う。この戦いは、もちろんダリルが勝ち、そのうちの1人はウォーカーの群が始末してくれる。
だが、3人は武装集団の一員らしく、彼らが消息不明になれば、よそ者のダリルは真っ先に犯人として疑われるだろう。そして、この町の住民たちは、ダリルの味方にはならないのではないか。次回は波乱の展開が待っていそうだ。
「ウォーキング・デッド:ダリル・ディクソン シーズン3」はU-NEXTで独占配信中(全7話、毎週月曜日に1話ずつ追加)
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