どの時代にも、権力の脅威となるカリスマは現われる!

ジミヘンにTボーン・ウォーカー、M・ジャクソン、ベジャールなどをほうふつさせる、ロックと肉体表現が一体となった点に目を見張る。
これらの洋的要素を、室町の世に置いて“和”に変換。映像自体はカラーだが、この時代の北山文化らしい水墨画的な淡い色あいも印象的で、表現者のストイシズムとリンクする。
何より興味深いのは物語だ。虫のように殺された源平合戦の魂を集め、芸に変えて時代の寵児となる主人公たち。しかし権力はこの波を許さず、彼らは源平の亡霊たちと同様の末路をたどる。歴史は繰り返す。ならば、また権力を脅かすアートが出現するだろう。そんなロックなメッセージが聞こえてくる。