シネマトゥデイ

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『瀬戸内少年野球団』等と比較するのも一興の大力作

  • バンクーバーの朝日
    ★★★★

    弱小チームが劣勢から知恵と工夫で巻き返していく――という基本軸は“文芸調『がんばれ!ベアーズ』”といったところか。ただし『川の底からこんにちは』や『ぼくたちの家族』など、これは監督・石井裕也が好んで採用してきた作劇でもある。「ブレインボール」という身の丈の頭脳戦は石井的方法論の自己言及に近い。

    つまり本作は石井の個性を大作へと的確にブローアップした企画。監督も地に足の着いた自分のやり方で応えている。日系移民という主題はヘイトスピーチなど現在の差別構造を対象化する視座だ。石井は『ハラがコレなんで』で戦後史&アメリカの影を忍ばせていたが、これほど長い射程で日本論を継続させている若手監督は珍しい。

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「TV Bros.」「メンズノンノ」「Numero TOKYO (Web)」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: 5月25日(土)立川シネマシティCスタジオにて、『鉄男』生誕30周年記念! 『鉄男 THE BULLET MAN』上映前18時からのトークMCを担当いたします。インターネット番組『活弁シネマクラブ』でMC担当中(YouTubeにチャンネル登録)。4月28日より、武正晴監督×脚本・足立紳さん(『きばいやんせ!私』)の回を配信中。ほか、映画ジャーナリストの徐昊辰さん(『芳華-Youth-』討論)、三宅唱監督(『ワイルドツアー』)、佐向大監督(『教誨師』)、片山慎三監督×松浦祐也さん×和田光沙さん(『岬の兄妹』チーム)、二宮健監督(『チワワちゃん』『疑惑とダンス』)、広瀬奈々子監督(『夜明け』)、緒方貴臣監督(『飢えたライオン』)、関根光才監督(『太陽の塔』『生きてるだけで、愛。』)等々を配信中。アーカイブ動画はいつでもYouTubeで無料で観れます。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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