今や見かけることがなくなった美が出現する

2015年4月17日 平沢 薫 ソロモンの偽証 後篇・裁判 ★★★★★ ★★★★★

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ソロモンの偽証 後篇・裁判

 相手をまっすぐに見つめる。姿勢正しくお辞儀をする。そんな、日常でほとんど見かけることがなくなった行為が、何度もスクリーンに登場する。これらの行為は、それを行う14歳の少年少女たちの、善であること、正しくあることを求めるまっすぐな気持ちを可視化したものだ。その行為同様、こうした心情もまた、今ではほとんど見ることがなくなったものだが、スクリーン上に出現するそれは、今それが実際にあるかどうかとは関係なく、美しい。見る者がその美に感じ入ることが出来るように、それが出現する場所として、中学生たちが殺人の容疑者で弁護人で検事で裁判官で、大人も召還する学校内裁判という、徹底的に虚構の舞台が作られている。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」@Amazon Prime の世界が静かで寒くて切ない。クリエイター・コンビの一人は、ディストピア画集「エレクトリック・ステイト」のシモン・ストーレンハーグ。もう一人は「レギオン」「アウトキャスト」の脚本家ナサニエル・ハルパーン。この2人にピンとくるなら必見。

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