過酷な競争社会の生み出した卑劣なモンスター

生活苦に追い詰められた貧しい若者が、殺人現場や事故現場のスクープ映像を撮る報道パパラッチとなり、あらゆる卑劣な手段を使って障害や邪魔者を排除しながら成り上がっていく。
まるでハイエナのように他人の不幸を飯のタネにする主人公、報道倫理などお構いなしに彼から衝撃映像を買い上げて放送する地方テレビ局。恐らく不快に感じる向きも少なくないだろうが、しかし底辺の弱者である彼らにとって、それこそが現代アメリカの過酷な競争社会を生き抜く唯一の手段なのだ。
辛酸を舐め尽くした末にモラル概念の崩壊した若者を演じるジェイク・ギレンホールが圧巻。あのゾッとするほど薄気味悪い眼力の強さに身の毛がよだつ。