心地よい哀愁に包まれて、これで完結でも悪くない

背景の国と、旅先の料理は変わっても、基本的にここまで徹底して同じスタイルを貫く姿勢はアッパレ。「寅さん」や「水戸黄門」を観ているような「お約束」の美学が、この3作目にも溢れている。相変わらず、マニアなネタについてこられない観客もおかまいなし…も潔い。
1作目と比べると、主演2人の外見にもわずかに「老い」が忍び寄ってきて、何かと話題になるのが、年齢に伴う肉体的&精神的な衰えだったりして、やけに切実で胸を締めつけてきたりも。その切なさがじわじわ蓄積され、ラストでは、過去2作とは違う、そこはかとない哀愁が漂うのであった。これで3部作完結なら美しいが、悪あがきでもいいから続いてほしいと、複雑な心境。