シネマトゥデイ

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“歩く傷”が求める真実

  • 影裏
    ★★★★★

    ポン・ジュノ監督が『怒り』を観て、「すぐに泣きそうな“歩く傷”」と譬えた綾野剛が、やっぱり泣きそうに佇む。そして、松田龍平は妖しさと哀しさの二面性でスルリとかわし、中村倫也はいきなりシーンをかっさらう。100ページにも満たない原作の行間を読ませるように、淡々と展開し、134分の長尺を使っても、いろいろと観客に投げかける。そんな男たちの物語は、大友監督の『秘密 THE TOP SECRET』から、さらに踏み込んだ印象が強く、黒沢清監督作でおなじみの芦澤明子による撮影は、震災前後の不穏な空気を捉えながら、川釣りのシーンでは『リバー・ランズ・スルー・イット』ばりに眩い美しさを放つ。

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くれい響

くれい響

略歴: 1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では10年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況: 『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『オーバー・エベレスト/陰謀の氷壁』『地獄少女』『アイネクライネナハトムジーク』『見えない目撃者』『プライベート・ウォー』『サマー・オブ・84』 『映画 賭ケグルイ』『オーヴァーロード』『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ- 』『サイバー・ミッション』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。「究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」のほか、「1980年代の映画には僕たちの青春がある(キネ旬ムック) 」「悲運の映画人列伝(映画秘宝COLLECTION)」「俺たちのジャッキー・チェン (HINODE MOOK)」に作品・解説などを寄稿。そのほか、「Movie Walker」にてポン・ジュノ監督×細田守監督、「香港ポスト」にて谷垣健治監督、「CREA WEB」にて高杉真宙さん、「TV LIFE」にて田辺誠一さんなど、インタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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