着地点が見えず、ハマっていく愛の地獄。まるでフランス映画

2020年8月4日 斉藤 博昭 窮鼠はチーズの夢を見る ★★★★★ ★★★★★

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窮鼠はチーズの夢を見る

2人の人間、それぞれ愛情関係に対する価値観は違うわけだから、どう折り合いをつけるかが問題。今作の2人も、愛の深さより、考え方の相違でドラマが様々な方向へ動く。そこは、けっこうリアル。体の関係から精神的な絆へ移る過程も、途中から同性、異性の感覚も消えていき、ひたすら「愛」に収斂されていく。同性同士を描きつつ、そのポイントを忘れさせる好例という気もする。

ラブシーンを本気で撮ろうとした監督・役者の覚悟。小悪魔で粘着質が嫌味にならない小動物のような成田、「心ここにあらず」の表情が的確な大倉と、キャラクターを熟知した演技。それらの成果と、似たシーンもあるせいか『ベティ・ブルー』的な激情が襲ってくる。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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