韓国映画に勝るとも劣らぬ未解決事件の映画化

40代以上ならトラウマな“キツネ目の男”事件が題材のリアルフィクションを、小栗旬と星野源W主演で映画化する意外性。序盤からテンポ良く、2人の抑えた芝居や隅々までこだわりを感じる配役から目が離せなくなる。それぞれ真相を追ってきた2人の対峙シーンは鳥肌モノだが、そこからのバディ展開で面白さが加速。これまで『いま、会いにゆきます』など、泣ける王道ラブストーリーのイメージが強かった土井裕泰監督だが、今回は原作を巧く整理しながら、去りゆく生命と生まれる生命を対比させた人間ドラマにまとめるなど、優しさ感じる野木亜紀子の脚色と相まって、韓国映画に勝るとも劣らぬ社会派エンタメに仕上げている。