とにかく、ハチ公前パニックに尽きる!

日本映画には必要といえる大作感に、それを99分という尺で仕上げた点では評価するが、あまりにミスリードを誘うキャラやセリフが多すぎる脚色に問題アリ。波多野貴文監督による『SP野望篇』の六本木ヒルズ・パニックを期待させる演出も、時折挿入される字幕などによって途切れ、なかなかノレないのも事実だ。しかも、キャラの人物像を掘り下げが浅く、演技派・実力派キャストの見せ場も薄れてしまった。渋谷ハチ公前のリアルな状況下からの、「これがカタストロフィだ!」と言わんばかりのパニック描写への流れは素晴らしいが、やっぱりモヤモヤが残ってしまう犯人の動機など、終盤にかけての尻つぼみ感は否めない。