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追憶と、踊りながら (2014):映画短評

追憶と、踊りながら (2014)

2015年5月23日公開 86分

追憶と、踊りながら
(C) LILTING PRODUCTION LIMITED / DOMINIC BUCHANAN PRODUCTIONS / FILM LONDON 2014

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

轟 夕起夫

変拍子のミニマル・ミュージックを聴くように

轟 夕起夫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 夢かうつつか、まどろみのような時間が過ぎてゆく。亡き人のことを想う“追憶”とはそんな特別な体験であり、本作にはその「喪の時間」の肌触りがくっきりと映像化されている。現在が過去に浸食される、という手法で。

 物語の中心は空白だ。ひとりの男の突然の死。それによって喪失感に苛まれる恋人と母親、扮するB・ウィショーとC・ペイペイが互いの立場の違いを巧く際立たせる。

 変拍子のミニマル・ミュージックを聴くように身をゆだね、反復の中から次第に浮き上がってくるメランコリックな主題に耳をそばだてる。現在は過去に浸食される。ある種、円環の映画。そしてまた得難い、まどろみのような時間が過ぎてゆくのだった。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

言葉にならない思いがあふれ、心にしみる

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

自己主張の強い欧米人や中国人を見るたびになぁなぁで誤摩化す自分の日本人マインドとは違うと思っていたが、ベン・ウィショー演じるリチャードに“和”の心を見た! 彼が急死した恋人が大事にしていた母親とつながろうと努力するのが物語の軸だが、その努力が切ない。息子の恋人と薄々気づき、だからこそ嫌っていたリチャードに心を許そうとしない母親の気持ちも理解できるので、ますますリチャードの行為が胸に迫る。言葉が通じないとわかっていても、言葉にすると母親が傷つくと思って飲み込んだ思いに彼自身が傷ついたり。台詞に頼らないウィショーとチェン・ペイペイの好演に演技の本質を教えられた気がした。

この短評にはネタバレを含んでいます
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