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先生と迷い猫 (2015):映画短評

先生と迷い猫 (2015)

2015年10月10日公開 107分

先生と迷い猫
(C) 2015「先生と迷い猫」製作委員会
森 直人

どこかサイレント映画の香り

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

これは、もうまったく『ノラや』の世界ではないか! 内田百間先生の映画といえば黒澤明監督の遺作『まあだだよ』があるが、百間的な軽妙さがよく出ているのは、むしろコチラではないかと思ったよ。

本作は伊豆ロケのスモールタウンものでもあるが、そのスケッチされた風景の中で映画的に浮き上がっているのが「猫」と「イッセー尾形」である。イッセーさんの芝居はもともとパントマイムの影響を受けているせいか、作風にはサイレント映画の匂いが。猫の撮り方もノンシャランな佇まいが絶妙で見事!

なんだか深川栄洋監督の『吾輩は猫である』を観たくなった。「猫」ってことだけじゃなく、夏目漱石の書生モノとかハマるんじゃないかなあ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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