呪呪呪/死者をあやつるもの (2021) 映画短評

ライター2人の平均評価: 3
超高速可動ゾンビの変形版としても面白い
殺人事件の犯人は死後3ヶ月の死体だった?!という奇妙な事件を追って、ネット・ジャーナリストと呪術師が協力するというオカルト系謎解きミステリだが、"動く死体"がモチーフなので、一種の変則的なゾンビものとして見ることも可能。
その視点から見ると、脚本が『新感染半島 ファイナル・ステージ』の監督/脚本のヨン・サンホで、あの映画の超高速で動くゾンビたちがより進化したような趣も。身体が破損しても命じられた行動を止められないゆえの、人間とはかけ離れた身体の動き。個別に行動せず、多数の個体が同じ目的のために動くことから生まれる奇妙な集団行動。他のゾンビ映画にはない光景の数々が見もの。
中盤だけでも一見の価値あり
『新感染』シリーズで韓国ゾンビマスターの地位に就いたヨン・サンホが仕掛けたKゾンビ最新作。感染系ではなく呪術系のゾンビということで、映画のストーリー自体はかなりスーパーナチュラルな展開になっているために、物語としてはギリギリで成り立っている感もなくはないのですが…。それでも、パワフルかつ一糸乱れぬ集団ゾンビアクションのビジュアル面でのインパクトは抜群です。特に中盤に展開される集団群舞のような襲撃シーンだけでも一見の価値がある一作になっています。2時間弱の上映時間で中弛みすることなく、一気に駆け抜ける爽快感を是非映画館の大画面で。