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ダークグラス (2021):映画短評

ダークグラス (2021)

2023年4月7日公開 85分

ダークグラス
Copyright 2021 (C) URANIA PICTURES S.R.L. e GETAWAY FILMS S.A.S.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

相馬 学

ジャーロ回帰と成熟を熱烈歓迎!

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 冒頭の日食のエピソードからして強烈な映像だが、すぐさまエロとバイオレントに突入。そこにかぶさるゴブリン風のスコアを含め、アルジェントの70’sジャーロへの回帰は一目瞭然だ。

 ナイフや悲鳴、犬の吠える声、惜しみない血糊などの神経を逆なでする描写はもちろん、陰影を活かした恐怖描写は健在。親を亡くした中国人少年を守ろうとする主人公の道徳観もドラマにスリルを宿らせる点で生きた。

 視力を失うヒロインの設定は『私は目撃者』を彷彿させるが、それを娼婦に設定し、なおかつ母性をも体現させるアイデアが面白い。怯えたり泣いたり怒ったりの感情の振り幅を体現して見せた主演のパストレッリの熱演が光る。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

アルジェントの新作ジャッロを見られるだけでも感謝

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェントが放つ10年ぶりの最新作は、長年のファンの期待に応えた正統派ジャッロ。盲目のコールガールがミソジニストの殺人鬼に命を狙われ、中国人の少年と共に逃避行を繰り広げる。やはり往時に比べると勢いも精彩も欠くことは否めず、特に脚本の弱さは如何ともしがたいものがある。これは認めざるを得まい。とはいえ、設定に共通項の多い『私は目撃者』をはじめ、『シャドー』や『サスペリア』など過去作を彷彿とさせる見せ場の連続に、熱心なファンであれば心躍るものがあるはず。これを同じことの繰り返しと見るか、僕らのアルジェントが帰ってきたと見るかで評価は分かれるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ダリオ・アルジェントのお家芸を愉しむ90分

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

“女性版『わたしは目撃者』”な設定など、原点回帰といえるジャッロ映画であり、鮮血の美学を彩る首絞め、水責め、吠える犬など、ダリオ・アルジェント監督のお家芸を愉しむ90分。20年前の脚本を削ぎ落しただけに、恐ろしくシンプルな作りだが、注目は『グロリア』を思い起こさせるヒロインと中国人青年の微笑ましい掛け合い。犯人の動機や警察の動き、森に逃げ込んでの展開など、思わずニヤつくユルさも含めてアルジェント。ただ、『BPM ビート・パー・ミニット』のアルノー・ルボチーニがゴブリンを意識した劇伴も悪くないが、当初予定していたダフト・パンクが実現すれば、さらに何かが変わっていたかもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
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