Broken Rage (2024):映画短評
老いても悪あがきする気概
タイトルに「Rage」とあるが、「アウトレイジ」シリーズのようなバイオレンスアクションを期待してはいけない。1時間ほどの総尺の中で、前半の殺し屋の話が30分ほど、後半のパロディー部分が30分ほど。ただし、前半に「緊張」がまったくないので、後半の「緩和」が笑いにつながらない。暴力表現を突き詰めていないので「振り子の理論」にも達していない。ただ、それでも映画の共通体験がない時代にパロディーをやるにはどうすればいいかと考え、新しい手法を試そうとした気概は買いたい。老いて枯れていくのではなく、老いてみっともなくても悪あがきしていく様は、結果的に『PERFECT DAYS』への皮肉になっている。
この短評にはネタバレを含んでいます



















