かくかくしかじか:映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
マンガの実写化は難しい
マンガの実写化は難しい。大泉洋が好演していても、原作者が製作と脚本を兼ねていても、126分の尺を費やしても、原作のドライブ感、ハイテンションなギャグと哀感の落差、マンガを描く壮絶さと恍惚感、人間のダメさと愛らしさ、そして何よりも主人公の痛切な悔恨の情が描かれていなかった。さまざまなエピソードが過不足なく並べられていて、破綻がないにもかかわらず、どこか平板な仕上がりに感じられてしまうのは、原作が傑作すぎるからに違いない。永野芽郁はもっともっと感情を出して、汚れながら七転八倒したほうが良かった。原作にない映画オリジナルのラストシーンは、親しい人を亡くした人なら誰でも想像してしまうものだと思う。
大泉洋が素晴らしい
大泉洋の演技が素晴らしい一本。本人のいつもの姿を見ているとどうしてもコミカルで笑いのある役柄のイメージが多いですが、舞台などを見ていると”強面”なキャラクターを熱演しています。そんなことを考えると本作のようなキャラクターがもっとあっても良いと思いました。脚本にも関わっている原作者の東村アキコの熱烈なオファーだったとのことですが、これは巧いキャスティングでした。お話は今の時代となってはちょっと問題があるかもしれないスパルタ指導が展開されますが、ちょっと珍しい”文系の師弟劇”となっていて面白かったです。





















