マーヴィーラン 伝説の勇者 (2023):映画短評
本当の勇者とは権力と戦い人の命を助ける者だ
インド映画のヒーローといえば、剛力無双でキメキメという印象があるが、本作の主人公はさえない漫画家で、気も弱く、腕力もからっきし。ところがある日、漫画で描いた“勇者”の声が頭の中で聞こえるようになり、欠陥住宅を作りまくって私腹を肥やす政治家に立ち向かうことになる。この主人公が、なかなか戦う覚悟を決めないところがリアルでユニーク。また、インドでは実際に強引な再開発や欠陥住宅をめぐる問題が多発しており、現実とフィクションは地続きであることを示している。本当の勇者とは、強い力があるかどうかじゃなくて、権力の不正と戦い、人の命を助ける者だとあらためて教えてくれる作品。
この短評にはネタバレを含んでいます



















