アンティル・ドーン (2025):映画短評
ライター3人の平均評価: 3
ホラーのお馴染み要素がてんこ盛り
人里離れた一軒家、そこに閉じ込められた若者たち、マスクを被った恐ろしい男、気味悪いピエロの人形、暗い森、トンネル、VHSテープなど、これまでにホラーで見た要素がてんこ盛り。タイムループの設定は、ビデオゲームが元なのでわかるとしても、思いきり笑わせてくれた「ハッピー・デス・デイ」のようなユニークさはない。死に方はショッキングでジャンプスケアはあるものの、また生き返るとわかっているし、どんどん意味と緊張が薄れる(『ハッピー・デス・デイ』はそこをジョークにしたのだが)。ただし、5人の友達を演じる俳優たちの間には自然なケミストリーがあり、映画に求められる若いエネルギーを放っている。
スプラッター指数高めの絶叫エンターテインメント
『シャザム!』シリーズでブロックバスター映画へ進出したデヴィッド・F・サンドバーグ監督が、久しぶりに低予算ホラー映画の世界へ戻ってきた最新作。原作となったゲームソフト版はよく知らないが、タイムループ系ホラーとしては『ハッピー・デス・デイ』よりも邦画『カラダ探し』に近いような印象だ。基本がサバイバルゲームゆえストーリー的に薄っぺらいことは否めないが、生き返るたびにシチュエーションが変わる、殺されるたびに肉体が変化していくという設定は面白いし、手を変え品を変えの容赦ないスプラッター描写も刺激的。あまり深いことを考えずに楽しめる絶叫エンターテインメントだ。
何も考えずにドッキリしたいタイムループおばけ屋敷
スクリーンジェムズ製作のゲーム映画化というと『バイオハザード』シリーズがすぐに思い浮かぶ。本作のスプラッター描写も、これに匹敵するクオリティで、やる気を感じさせる。
タイムループホラーという点では『カラダ探し』を連想させるが、感傷に溺れないつくりなので恐怖指数は高い。暗闇と光を生かした映像で押すサンドバーグ節も健在で絵的には見るものがある。
とはいえドラマ面の硬度は弱く、唐突な新ルールの付加や、死ななくてもいい人が命を落とすキャラの無駄使いは気になった。それらをオバケ屋敷的な恐怖と受け止められれば、十分に楽しめるだろう。






















