最後のピクニック (2024):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
誰にでも共感できる、人生についての物語
国境を超えて共感できる、人生についての物語。自分の人生の終わりについて考える年齢になった人ならもちろんのこと、高齢の親を抱える人、あるいは生まれ故郷を出て違う街で長年過ごしてきた人、それぞれに響くところがきっとあるはず。子供時代を一緒に過ごした友達は特別なのだということも、あらためて実感させられた。忙しい毎日の中でつい疎かにしてしまっていたそのつながりを、今一度大切にしよう、会って話す時間を作ろうと思ってしまうのでは。主演のベテラン女優ふたりは私生活でも友人とのことで、相性の良さは抜群。80代にしてまだバリバリ仕事をしている様子にも元気づけられる。素直に感動できる作品。
楽しそうだけど実はシビアなおばあちゃん同居ドラマ
韓国で「国民のおばあちゃん」と呼ばれる83歳のナ・ムニと87歳のキム・ヨンオクが共演して、単館で大ヒットした作品。幼い頃からの親友同士が、故郷に帰ってシスターフッド感溢れる共同生活を営む――と書くと、憧れを抱く人もいるかもしれないが、けっして楽しいことばかりではない。家族のトラブル、親しい人との別れ、お互いの健康状態の悪化など、問題は山積み。下の世話の話もちゃんと描かれている。そして大きなテーマになっているのが尊厳死。韓国では尊厳死を求める声が大きくなっていることが背景にある。タイトルは韓国の有名な詩、チョン・サンビョンの「帰天」から。作品を観た後にぜひ一読してみてほしい。




















