ヘッド・オブ・ステイト (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 3.5
軽快なせりふとドタバタアクションを楽しむ
違った者同士のバディコメディで、アクション物。そこに政治とハリウッドのネタをプラス。大きなストーリーの流れや悪役のキャラクター、カルチャークラッシュのくだりなどはお決まりながら、冒頭のダジャレにはじまりあちこち軽快なせりふがあり、ドタバタ系のアクションも笑わせてくれる。共に製作総指揮を務めるイドリス・エルバとジョン・セナの息の合い方はばっちり、カリスマもさすが。最近めきめきと存在感を増しているジャック・クエイドも、短い出演時間で観客の心をがっちりつかむ。NATOという舞台設定はタイムリーながら、これはあくまでエンタテインメント。暗いことばかりの現実社会と重ならない分、エスケープできる。
英米首脳のありえない試練と共闘も、最適キャストで無敵痛快に
英国首相とアメリカ大統領が一緒にいるところで命の危機に…と超シビアな状況を描きつつ、リアリティと「ありえなさ」、特大スペクタクルとコミカルさを絶妙にブレンド。エンタメ快作に仕上げた、意外な拾いモノ。
特に配役が大成功。あからさまにシュワルツェネッガーをパロった大統領で、ジョン・シナのマッチョ&少し知性不足な体現は名人芸の域。英国首相イドリス・エルバも冷静&皮肉屋キャラがぴったりで、とんでもないアクションにも2人が必死に説得力を与える。
犬猿の仲が、結託せずにいられなくなる流れはスムーズだし、要所で“陰のヒーロー”が活躍し、痛快を通し越して胸が熱くなる瞬間も。大統領まわりのマル秘ネタも楽しい。




















