楓 (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
スピッツのトリビュートアルバムの一曲の様な
「双子」設定をいかにもフィクショナルに使った内容は、あらすじだけ読むと突飛な印象もあったが、そこはさすが行定勲監督。実際本編を観ると感情の推移が丁寧に描かれている。実は『タッチ』(あだち充)の関係図式にも近いが、喪失や負荷を抱えた亜子(福原遥)の中に否応なく起動するエゴイズムを、恋愛の宿業として見つめる視線が優しい。
脚本・高橋泉とは初タッグだが、『世界の中心で、愛をさけぶ』に連なる、ヒットメーカーとしての行定監督の本道イメージを延長させた企画とも言える。男性的な押し出しの強さを感じさせない福士蒼汰の爽やかな存在感も素晴らしく、スピッツの名曲を独自に解釈/消化したアンサーソングに仕上がった。
想い合い方の違い
スピッツは名曲が多いので、楽曲インスパイア系映画もいつかはできるのだろうと思いましたが、その中から『楓』を選んでくるとは少し意外な感じがしました。メガホンを取った行定監督としてはちょっと久々なストレートなラブストーリーとなりましたね。やっぱり行定ラブストーリーは見ていて楽しいのでコンスタントな製作を期待してしまいます。お話としては”いずれ無理が出てくる”設定ゆえの危うさを孕んだ物語になっていました。福士蒼汰も福原遥も基本的にまっすぐなキャラクターがハマるがゆえに切なさが増しています。突飛な部分もありますが冬にピッタリな映画でした。






















