Mr.ノーバディ2 (2025):映画短評
ライター3人の平均評価: 3.7
夫の職業の自由が、妻にも影響をあたえる!?
前作が大好きだったので期待して観たが、きっちり期待に応える頼もしさ。前作で主人公が家族に秘密にしていた殺し屋稼業がバレてからの、その後を密にシミュレートする。
暗殺業への専念が許されても、仕事は前作の工場勤務のごとくルーティン化するものだ。子どもたちには“父ちゃん、がんばれ”で済んでも、それによる日常のマンネリ化に細君は耐えられない。これを家族劇の根幹に置いた点に惹かれた。
主演のオデンカークは前作同様にダメ親父を体現しており、イイ味を出している。逆に驚きだったのが妻役のC・ニールセンのブレイクスルー。彼女が活躍する第3弾を観たくなるのは、筆者だけではないはずだ。
87ノースの肉弾アクションに火薬も増量
前作が名作だったので、続編のハードルは高く、ありとあらゆる技を投入。前作が冬なので、今回は夏のバカンス。前作で、家族に主人公の正体が凄腕の殺し屋だとバレたので、今回は妻や子供たちも戦闘に参加。飛び道具として、悪役にシャロン・ストーンを起用。さらに舞台は、今はオヤジな主人公が子供時代に遊んだ1950年代風リゾート地というヒネリ技をプラス。87ノース製作の肉弾アクションに、火薬も増量されている。
監督はインドネシア産アクション映画『ザ・ビッグ4』『ロスト・イン・シャドー』のティモ・ジャイアント。すでにジェイソン・ステイサム主演の人気アクション『ビーキーパー』続編の撮影に入っている。
ラスボスのシャロン・ストーンなど、全方向にアップデート
『ジョン・ウィック』の二匹目のドジョウ感が強かった前作に比べ、さらに主人公の「キレたらヤバい」度が増したことでシリーズものとしてのキャラ立ち、西部劇のオマージュや家族モノとしてのオリジナリティも強まった。ただ、今回はセリーヌ・ディオン「パワー・オブ・ラヴ」でアゲ曲になるなど、コミカルかつポップ要素まで強くなったことで、前作の硬派なハードボイルドノリが好きだったファンは、物申したい気持ちになるかもしれない。ラスボスとして登場するシャロン・ストーンに関しては、出オチ感は否定できないが、相変わらず趣味丸出しのRZAも含め、キャスティング・センスは評価したいところだ。






















