サリー (2023):映画短評
見事な台湾新鋭監督のオリジナル脚本
国際ロマンス詐欺というキャッチーな話題を盛り込んだ流行のジェンダー映画ではあるのだが、ここまで見事に被害女性の心理に迫りつつ、軽やかな一人の女性の成長物語に仕上げたオリジナル脚本はアッパレ。監督・脚本は本作が初長編のリエン・ジエンホン。相次ぐ詐欺のニュースに興味を抱き、被害者らを取材して脚本に落とし込んだそう。主人公は台湾の田舎町で、家族の犠牲となって生きてきたアラフォー女性。その主人公を描くために女性脚本家に協力を呼びかけた制作過程も含め、リエン監督の誰かの人生を描くための真摯な姿勢が登場人物たちを輝かせ、彼らの生きた言葉が観る者の心に響くのだ。台湾の新鋭監督の今後に、期待しかない。
この短評にはネタバレを含んでいます






















