水の中で (2023):映画短評
必見。これぞ「月刊ホン・サンス」の目玉か!?
全編ピンぼけという恐ろしい噂は本当です! 尺は61分、ぎりぎり長編のホン・サンス第29作。従来性を根底から覆すウォーホルばりの実験を観逃さないで欲しい。映し出されるのは済州島での青春の風景。輪郭が溶け、光と色彩だけが漂う映像は、まるでモネのキャンバスが動き出したよう。4K/8Kの高画質時代に真っ向から逆らう“ぼやけ革命”が、映画の見え方そのものを揺さぶってくる。
監督自身によるローファイな哀愁のギタースコア、そして自らカメラを持つようになった近年の変化が、視覚言語の拡張を後押しする。物語は“映画を作ること”へと収束し、劇中映画と本編が重なる幕引きは『イントロダクション』との呼応としても鮮烈。
この短評にはネタバレを含んでいます





















