DIGGER/ディガー:映画短評
ライター4人の平均評価: 3.8
いくつもの発見がある
予告編から予測されるような物語でもあるのだが、それだけではなく、映画を見るといくつもの発見がある。一見、アメリカの物語であるかのように誤解されてしまいそうだが、そうではなく、これは全人類の物語だろう。メッセージはストレートだが、それがどのような形で提示されるか、何と一緒に差し出されるのかが、イニャリトゥ監督の腕の見せどころ。
この監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に通じる要素が多数あり、いい意味でケレン味たっぷりなところも、あの映画と共通。トム・クルーズは、さまざまな顔を見せて熱演。ジェシー・プレモンスがいつも通りに上手い。
トムの見事な挑戦!確信犯的な野心作!!
興行的に苦戦するだろうとか、内容的に賛否別れるだろうとか言われていますが、監督もトム・クルーズも完全にわかってやっている確信犯的な一本です。確かにトム・クルーズのスター性&スーパーヒーロー路線の映画を期待すると全く違う映画がやってくるので戸惑うかと思いますが、映画単体で見れば観客を楽しませること、驚かせることに全力を注いだ作品となっています。逆に今、このタイミングでこんな映画に出て、こんなキャラクターを演じようとしたトム・クルーズの挑戦に拍手を送りたいぐらいです。次回作はまたヒーロー路線のようなので、そういった意味でも非常に貴重な一本です。
将来的にカルトクラシックになるだろうか
ネタバレせずにこの映画を語るのはとても難しい。映画がかなり進んでからわかる「種明かし」は、そこまでで感じた違和感――たとえば誇張されすぎたキャラクターとかリアルさのない猫とかーーを説明する。イニャリトゥの野心はよくわかるし、クルーズは演じる醍醐味があっただろう。しかし、こんな凝った構造にする必要はあったのか。そこに「この映画、知的でファニーでイケてるだろう」という自己満足を見てしまうのだ。ジョークも不必要なものが多く、作り手が思うほど可笑しくない。ただそれは私の受け止め方であり、この映画を斬新で深いと見る人もいる。将来的に評価が高まり、カルトクラシックになるのかは今すぐにはわからない。
★5でもいいが、★1つとも…。心の中で評価が相反する問題作
ここまで評価の手に負えない作品は極めて稀。その意味で、自分の目で確かめる価値は大。莫大予算のアート映画の極北か。
テーマはブラックで辛辣。強烈なコメディの様式で、複数の登場人物が気候変動に絡めて自分たちの利益を追求し、モラルや常識を省みない姿勢で、現代社会の支配者(誰なのか一目瞭然)を揶揄する。しかも作品の野心的でチャレンジングな構造には恐れ入るばかり。
ただ全編、多くのキャストの芝居のテンションが高すぎ、演出の圧も激しく、その意図もわかるとはいえ、観ていて生理的に疲弊するのも事実。トムの怪演は確かにオスカー級も場面によってメリハリが必要だったのでは?
笑えるが、ちょっと説教臭いのも気になる。























