そして彼女たちは:映画短評
尊敬すべきシネアストがなおも新境地に
ルーカス・ドンが共同プロデュース。貫禄のダルデンヌ兄弟がさらなる自己更新を果たし、近年でも屈指の鮮度を放つ。主人公はティーン、あるいはそれに準ずる5人の若い妊婦や母親。困難を抱えつつも産む選択をした女性たちの群像劇だ。奇しくもダルデンヌの影響を受けた藤原稔三『ミックスモダン』のバトンを静かに受け継ぐようでもある。
全ての人に尊厳を向ける姿勢は彼らの根幹にあるが、現実から逃げる男たちには厳しい視線が注がれる。それでも各々の物語の着地には、前へ進むための小さな希望と提案がそっと添えられる。アポリネールの詩「別れ」からモーツァルト「トルコ行進曲」へと流れゆく音の連なりが、胸の奥をじんわりと温める。
この短評にはネタバレを含んでいます






















