ホールディング・リアット (2025):映画短評
中東情勢の捉え方を変える必見ドキュメンタリー
人質家族の親族だからこそ撮影できた'23年10月7日の舞台裏。それは、人命が政治の道具として扱われることの無情さを克明に映し出す。米政府に人質解放交渉を働きかけるべく、思想を異にする政治家にも頭を下げねばならぬ苦々しさ。襲撃に遭った次男は、自身の体験を繰り返し話すことでPTSDを発症しかけている。重なるのは北朝鮮拉致被害者家族の姿。同様の思いをもう何十年もしているのだと心中を察すると同時に、中東の話だけではないことに気付かされるだろう。この鬼気迫る状況の中で、正気を保とうとする本作の家族たち。彼らの理知的な言動は、西側の偏った情報で語られることの多い中東情勢の見方すらも変えてくれそうだ。
この短評にはネタバレを含んでいます





















