旅立ちのラストダンス (2024):映画短評
お見送りの伝統と仕来りに一石を投ずる香港映画の佳作
ウェディング業界から葬儀屋へと転職した男性トウサンが、慣れない世界で悪戦苦闘しながらも商売を軌道に乗せるべく奔走する。物語の主軸となるのは、そのトウサンと実際に葬儀を仕切るベテランの祭儀道士マンの対立だ。経営者として顧客の満足度を優先するトウサンに対し、古くからの伝統と仕来りを重んじるマン道士。ああしなければ死者は地獄へ落ちる、そんなことをすれば天罰が当たる。しかし、当たり前だが死後の世界を見てきた者など誰もいない。葬儀の根底にあるのは故人への弔い。言ってみれば生者の「お気持ち」である。ならば伝統や仕来りに縛られず、人ぞれぞれ満足のいく見送り方をすれば良いのでは?そう思わせられる作品だ。
この短評にはネタバレを含んでいます






















