アダムの原罪 (2025):映画短評
ひとつの潮流と言える社会派ジェットコースタームービー
孤立した母子が夜に放り出される79分。ローラ・ワンデル監督は『Playground 校庭』で確立した主体密着の話法を、ベテラン看護師ルシーの視点で更に研ぎ澄ませた。ダルデンヌ兄弟譲りの手持ちカメラの呼吸は病棟の空気と同期し、ライド系の没入感へと転化。ルシーは制度と母性の狭間で揺れ、緊迫が観客の皮膚にまで迫る。
A・バルトロメイ演じるレベッカは、まるで同年のダルデンヌ新作『そして彼女たちは』の支援施設に居た若い母親の“次”の局面を示すようだ。スイス映画『ナースコール』とも呼応する混沌。社会問題やケアの限界が病室に流れ込む。そんな現実の縮図に我々は当事者感覚で立ち合い、共に走り続けることになる。
この短評にはネタバレを含んでいます





















