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オブセッション 災愛 (2025):映画短評

2026年7月17日公開 109分

オブセッション 災愛
(C) 2026 Focus Features LLC.

ライター7人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.1

森 直人

YouTuber出身の新鋭バーカー監督、「映画的」に巧い!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

面白かったし本気で怖かった(笑)。全米大ヒットも納得。初期設定は“悪魔との契約”系の古典的パターンで、すっと物語に入れる。仕上がりはものすごくフレッシュなティーンムービー。ポンコツ男子ベアが“願いの柳”で幼馴染のニッキーに好かれたいと願った瞬間、世界が崩れる。愛しい彼女は「フリーキー・ニッキー」へとハイパー化して奇行連発。ヤバすぎる暴走展開だが、「願い」が「呪い」に転倒するのは、恋愛の怖い本質を射抜いている気も。

基本、男子目線映画だが、ニッキー視点で観ると全く別の地獄が広がるのも技あり。いまハリウッドは元気ないが、映画的テクニックを駆使して活きの良い作品を作っているのはホラーだと実感した。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

怖いだけじゃなく、不幸が笑えるブラックコメディ

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

W・Wジェイコブズの「猿の手」に代表される、人間の欲望が引き起こす短編ホラーの現代アップデート版。つまり、「世にも奇妙な物語」にも「笑ゥせぇるすまん」にもなりうるワンアイデアを、しっかり109分持たせてしまうところが、脚本も手掛けたカリー・バーカー監督の才能であり、世界を席巻している大きな理由だ。そして、次々と変顔を繰り出すインディ・ナヴァレッテという、とんでもない逸材! 離れられないカップルを描く意味では『トゥギャザー』、謎のサポートセンター映画という意味では『サブスタンス』を想起させるが、両作に負けず劣らずの不幸が笑いを誘うブラックコメディに仕上がっている。

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なかざわひでゆき

好きと言えないチキン野郎が招いた阿鼻叫喚の惨劇!

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 好きな幼馴染の女子に好意を伝える勇気もない、善人ぶったええかっこしいの軟弱なチキン野郎が、うっかり魔法の力に頼って彼女から愛されようとしたところ、とんでもないしっぺ返しを食らってしまう。要は「彼女から愛されたい」という願いが呪いに変わってしまうわけですな。これがもう情け容赦なし!愛という名の執着が狂気のごとく暴走し、阿鼻叫喚の惨劇を次々と招いていく。でもよくよく考えたら、一番の被害者は呪いをかけられた彼女なのだけどね。巻き添えを食らう周囲の人々もまた悲惨!予定調和なジャンプスケアを排除した演出はなかなか新鮮である。後味の悪いゴア描写も盛り沢山。中でも特に猫好きさんは要注意である。

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斉藤 博昭

設定はシンプル&表現はセンセーショナル。これぞ映画の本質

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

好きな人を振り向かせたい。そのためなら怪しい手段も試してみる……と、誰にもわかりやすい、ちょっとブラックなおとぎ話のような設定を入口に、そこから軸をブラさず、狂気へとエスカレートしていく流れが、あまりにスムーズ。観始めたら止まらない。
突然のショック描写が効果的だし、若いキャストの過剰な演技も説得力の範囲内。あらゆる点において、そつのない演出はすでにベテランの域ではないか?
いちばん怖いのは、本人とっては“素直”な愛情表現が、受ける側にはストーカー的被害という、かなり現実と地続きなところ。おまじない要素で非現実的な寓話と見せかけ、じつのところ、生々しい状況なので、夢中になる人が多数なのも納得。

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平沢 薫

すぐそこにある恐怖

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 すぐそこにある恐怖。全米大ヒットの理由は、若い観客たちが普通に抱く感情、彼らの人間関係、価値観をリアルに描いているからではないか。いつもの行動や思考が、一歩行き過ぎたらこうなるかもしれない、そう感じられて生々しいのではないか。『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』と同質の"現在の若者たちのリアル"が生々しい。

 もう一つの魅力は、極度に悲痛で悲惨で不道徳なのに、うっかり笑ってしまいそうになる瞬間もある、というユニークなテイストだ。これは現在25歳のカリー・バーカー監督の持ち味なのか。すでにブラムハウス製作で撮影済みの、監督が主演も兼任したホラーコメディで、彼の得意技を確認したい。
 

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村松 健太郎

大収穫の一本

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

時折大化けする低予算ホラー。過去にも多くあった低予算ホラーの成功例はどれもアイデア勝負なところもありつつも、それでいながら一本の映画に仕上げ切る力強さと丹力のようなものを感じさせる作品ばかりでしたが、今作もそんな一本と言えるでしょう。きっかけは非常にシンプルなモノに設定、どこにでもありそうなところからお話が始まります。これがびっくりするような方向へと物語が進んでいき、気が付けばスクリーンに釘付けとなります。登場人物も少なく、舞台も大きくないということもあるのでしょうが、映画からは粗さのようなものが感じられず、カチッとした画作りとなっていました。大収穫です。

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猿渡 由紀

誰もが共感できるテーマに新鮮にアプローチ

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

気になる相手が自分を好きになってくれる魔法があったらいいのに。このクレイジーな物語のベースにあるのは、誰しも抱いたことがある、世代と国境を越えたそんな感情。だから共感でき、笑えるのだ。
 残酷なシーンもあるけれども決して多くなく、怖がりでも大丈夫。猫好きはやや要注意ながら、撮影現場に猫はいなかったのでご安心を。この映画の成功の最大の理由は主演俳優ふたり。とりわけインディ・ナヴァレッテはすごい!取り憑かれたシーンでは恐れを知らずにとことん突進、そうでないシーンではどこにでもいそうな普通の女性。ナイスなオーラが漂うマイケル・ジョンストンとの相性もばっちり。どちらも今後活躍間違いなし。

この短評にはネタバレを含んでいます
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