襲名 (2026):映画短評
歌舞伎と人間、その魅力を存分に伝えるドキュメンタリーの本道
歌舞伎界のトップスターが、長年の三池監督への信頼感から「すべて撮らせる」との覚悟をみなぎらせた貴重な記録。澤瀉屋への一言など、きれいごとだけでまとめていないところも逆に好感。若い時代の“武勇伝”の名残もあちこちに。
襲名公演の演目をじっくり見せることで、歌舞伎の魅力、その本質を伝えることにも成功。さらに現実では不可能な“共演”を実現させた映画のマジックで、終盤は陶酔の時間に突入する。
もともと華のある芸風が襲名でさらなる次元へ向かう瞬間を目撃できるが、父に負けないほど新之助が堂々たる才能、その片鱗をみせ、感心しきり。
ただひとつ、ナレーションのトーンに妙な違和感が。そこも、あえての狙いなのか。
この短評にはネタバレを含んでいます





















