ハート・オブ・ビースト (2026):映画短評
ライター4人の平均評価: 4.3
いぶし銀の魅力が増したブラピのスター映画
『ラスト・サバイバー』に続く、相棒=“わんこ”との泣かせるサバイバル映画だが、あえてそこだけに焦点を絞っているのが本作の特色だろう。そこでデヴィッド・エアー監督の力量が試されるわけだが、ビックリするほど正統な仕上がり。つまり、破綻するぐらいがちょうど良かったエアー作品にしては、まとまりすぎており、過去の戦場のシーンで、いつものミリオタ癖が見え隠れする程度。ブラッド・ピットとの初コラボ作『フューリー』と比べてもモノ足りなさは否めないが、あれから12年。いぶし銀の魅力が増したブラピのスター映画という点では、十分に画が持つこともあり、最高の出来といえるかもしれない。
涙が止まらない、感動の大傑作
今年最高に泣ける映画。2度見たが、2回目も泣かされた。だが、「泣かせよう」というあざとさはゼロ。犬と人間の無条件の愛、積み重ねてきた信頼に心を揺さぶられるのだ。デヴィッド・エアーのキャリアではかなり異質な作品。そもそもこれは彼が脚本を書いたものではなく、究極にシンプル。得意とするアクションの見せ方はしっかり活かし、必要なところでは緊張感を持たせ、成熟したフィルムメーカーとしての力量を見せる。
せりふがほとんどない中、表情や手作業の様子で細かに感情表現をしてみせるブラッド・ピットの演技は、これまでのキャリアで最高。しかも、共演者である犬からも求める“演技”を引き出しているのだ。大傑作。
映画史を代表する”犬映画”の誕生
ブラッド・ピット主演、デヴィッド・エアー監督で退役軍人と義足の元偵察犬のサバイバル劇だということで、何処まで男臭い映画になるかと思いましたが…。結果として雄大な自然の美しさと厳しさ、そして何よりも映画史に残る”犬映画”となりました。なんといっても主人公を支え続ける犬の姿が愛らしく、ひたすら彼を愛でる時間が過ぎていきます。幼い頃も含めて4頭で演じ分けているとのことですが、正直”差”が分かりませんでした。そのくらい丁寧に描かれています。ほぼほぼ一人芝居と言ったところのブラッド・ピットも62歳となり老いや枯れと言った滋味を感じさせるようになったも好印象です。
映画史上でも最高レベルの犬の演技で、最後は有無を言わさず号泣
語るべき物語の軸がきっちり最後まで保たれる。その結果、退役軍人と、任務を共にした犬、その“ふたり”の旅に一点集中。難関に見舞われた際に試される、たがいを守る愛情、信頼感にいちいち胸がかきむしられることに。
ブラピから犬のオーディンへの眼差しの温かさ、愛おしさもさることながら、オーディン役の犬がブラピに向ける神々しい表情、全身を投げ打っての献身行為には、自身もジャーマン・シェパードを飼っていた監督の慈しむ目線が重なっている。
大自然の中のサバイバルでも“ご都合主義”的な描写は極力排除されたことで、ふたりの絆はより説得力を帯び、「人生に大切なものは何か」まで問う至高のラストに我を失うほど感動。























