リンカ リンカ~あの夏の先 (2025):映画短評
思い出が、幾重もの枠組の向こうで輝く
構造が面白い。主人公は監督志望の若い女性で、スクリーンには彼女の幼少期から今までの様々な光景が映し出されるが、やがて彼女が自分の思い出を描く映画を撮影中だと分かり、今見た光景が、過去の出来事なのか、彼女の撮る映画のシーンなのか、判別がつかない。主人公は、本作の監督自身の投影でもあるだろう。登場人物が「映画はたいてい現実よりも美しいよね」と言ったりもする。
そうした幾重もの枠に入れられて、10歳の頃の小さな心の傷が、その2年後、5年後、そして今、どのように変化していったのかが、柔らかな光の中で細やかに描かれていく。物語の背後で、主人公と彼女の父親の間で折々に交わされるやり取りも暖かい。
この短評にはネタバレを含んでいます





















