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ドラマなふたり (2026):映画短評

2026年8月21日公開 105分

ドラマなふたり
(C) 2026 Dramatic Movie Rights LLC. All Rights Reserved.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.8

相馬 学

愛しているなら、過去を裁くな、今を見よ

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 恋愛と結婚における、ある意味皮肉、ある意味最悪な瞬間をとらえたラブコメディ。

 自主性のある米国人女性と、周囲を思いやる英国人男性の取り合わせ。その恋愛~結婚へと至る道のりが、女性の率直な過去の告白によって崩れていくのだが、ボタンのかけ違いのように悪い方向に転がっていくのが面白い。ゼンデイヤ&パティンソンの血の通った演技にも好感。

 夢から悪夢への変貌を風刺的に描いた、『ドリームシナリオ』のK・ボルグリ監督が、恋愛という“夢”を“悪夢”に変換。後味が決して悪くない点を含めて、巧い。セリフの中に盛り込まれた恋愛論にも学ぶべきものアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

賛否呼びそうなカミングアウトの行方

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ドリーム・シナリオ』の製作・監督コンビによるドス黒いラブストーリーという触れ込みに嘘偽りはなく、『オデュッセイア』でも共演している芸達者な2人が『シック・オブ・マイセルフ』でも描かれたカップル間の深まる溝を表現するのは興味深い。とはいえ、評価の大きな分かれどころは、中盤で発覚する「彼女のカミングアウト」の行方。銃社会ではない日本において、陰キャ時代の黒歴史と受け取れない彼氏に共感するのは、なかなか難しいところ。そんな「そこまで人格否定するか?」が「そこまで引っ張るか?」に変わることもあり、半ば興覚め状態に陥る。アラナ・ハイムもムカつくぐらい巧いのに!

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森 直人

映画を観たあと、じっくり語り合いたい!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

北欧から現れた異能ボルグリ監督の中でも格別の傑作。ゼンデイヤ×R・パティンソンというトップスターを主演に迎え、基本はむしろ古典的なボーイ・ミーツ・ガール。“運命の出会い”から始まる物語に、監督は現代の火薬庫=炎上のメカニズムを重ね合わせる。SNS的正義による増幅構造は『シック・オブ・マイセルフ』や『ドリーム・シナリオ』の延長。部屋に貼られたベルイマン『沈黙の島』のポスターがガチな心理劇の深層を示唆する。

スクリューボールコメディの軽やかさと、オブセッションが併走する語り口はボルグリの新境地だ。物語は「アメリカ論」としての批評性と、パートナーシップの課題を同時に照射する。全てがユニークで鋭い!

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猿渡 由紀

自分だったらどうするかと考えさせる

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ボルグリはとんでもなくダークなユーモアのセンスの持ち主で、いつもオリジナルなアイデアを思いついては観客を予想できないジャーニーに連れて行く。ただ、過去2作同様今回も、「こんな破茶滅茶状態になったものをどう終わらせるのか」とドキドキさせるのに、結末がなんとなく弱いのだ。
 それでも、パティンソン演じるチャーリーは思い入れさせるし、興味深いキャラクター。優柔不断で周囲の意見に振り回されているような彼は、純粋なのか、情けないのか。どちらだったにせよ、愛する人に思わぬ過去があることを知った場合、自分ならどうするかということを考えさせる。今年共演作が3本もあるパティンソンとゼンデイヤの相性は抜群。

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平沢 薫

今、まさに旬の2人が共演

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 監督・脚本が『ドリーム・シナリオ』『シック・オブ・マイセルフ』のクリストファー・ボルグリだが、今回はそこまでとんでもないことは起こらず、基本的に結婚直前のカップルの心の揺れ動きを描写するラブストーリーで人間関係を巡るドラマ。

 タイトルでもある2人は共に『オデュッセイア』『デューン 砂の惑星PART3』と話題作が続く、今、まさに旬の売れっ子2人で、その共演ぶりが見もの。パティンソンは『DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ』に続き今回もフツーの男を演じて軽妙。デンゼイヤはその愛らしさと美貌のせいか演技が話題になりにくいが、『マルコム&マリー』(21)でも発揮した確かな演技力で魅了する。

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斉藤 博昭

こういう難役に挑み、きっちり仕事。主演2人は信用度絶大

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

結婚直前、相手の過去の“衝撃事実”で疑心暗鬼→ドロ沼展開を観ているこちらはゴシップ的に楽しめる。スリリングかつ痛快なエピソードを巧みに、テンポよく絡め、修羅場劇をエンタメとして見せ切った演出に終始、感心。
若気の至りの過ちか、本当に根っからの闇キャラか。その曖昧さをゼンデイヤが『チャレンジャーズ』同様、挑発的に体現。対するパティンソンは、告白され、混乱と不安に陥り、我を忘れた行動にも出る新郎をコメディとシリアスの絶妙なラインで表現し、テクニックとしてはオスカー級では? 作品選びのセンスをまたも証明。
親しい人にどこまで話すべきか…など、つい自分に引き寄せて心がザワつき続けるのも名演のおかげだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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