セックス・ピストルズ 破壊の設計図 (2025):映画短評
ライター2人の平均評価: 4
音楽的才能ゆえに、“設計図”から弾かれた!?
ダニー・ボイルのドラマシリーズ『セックス・ピストルズ』はギターのS・ジョーンズ視点に則っていたが、こちらは初代ベーシスト、G・マトロックを中心に置いたピストルズのドキュメンタリー。
前半は過去に製作されたドキュメントに近くて新味がないが、ピストルズの音楽性を一手に引き受けていたマトロックの才能と、パンクのイメージとの差異が浮かび上がる後半は興味深い。同時にそれは、ピストルズというバンドの、(少なくともマネージャー視点では)音楽に頼らない特異性の表われでもある。
個人的にはマトロックと、彼の後を継いだベーシスト、シドとの友情の裏話に、ちょっと泣いた。
ゆるやかに生き延びたジェントルマンとしての“パンクの伝説”
原題は90年刊行(邦訳92年)の自伝『オレはセックス・ピストルズだった』と同じ。バンドのオリジナルメンバーであるベーシスト兼ソングライター、グレン・マトロックの名誉回復が軸だが、これに関しては完全に満を持してのタイミング。彼が「シド・ヴィシャス史観」の物語から不当に弾かれた傑物だとの評価はもはや周知の事実と言える。
M・マクラーレン&V・ウエストウッドの最初の店「Let It Rock」(「SEX」の前身)からの店員という最古参でありつつ、音楽性の高さと人柄の良さが広く長い交流を生み、パンクの生き証人となった。結果、本作は最もニュートラルな視座によるピストルズのドキュメンタリーとなっている。





















